2021 Fiscal Year Research-status Report
肺好中球分化へのダイナミズムと炎症を基軸とした肺高血圧症の病態解明
Project/Area Number |
21K08112
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
君島 勇輔 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (00836702)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三阪 智史 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (50793080)
池田 和彦 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (90381392)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 肺高血圧症 / JAK2 V617F / ACVRL1 / クローン性造血 / 心不全 / 好中球 / 肺動脈血管リモデリング |
Outline of Annual Research Achievements |
肺高血圧症は、肺動脈血管リモデリングを特徴とし、肺動脈周囲に浸潤・活性化した好中球などの炎症細胞がそのプロセスに重要な役割を果たす。骨髄-肺のダイナミックなネットワークにより、骨髄由来免疫細胞が骨髄から供給されてその病態形成に関与する。骨髄造血幹細胞から肺好中球に分化するダイナミズムにおいて、骨髄由来血液細胞が末梢肺動脈周囲に向かってどのように分化・誘導し、炎症細胞として活性化し、肺高血圧症の病態形成に関与していくかは未解明である。 本研究では、マウスモデルを用いて、骨髄造血幹細胞-骨髄球-末梢循環好中球-肺好中球の全分化段階の網羅的解析により、骨髄-肺ネットワークに関与する重要な新規分子の同定とその機能解析を行い、肺好中球分化のダイナミズムという新しい観点からアプローチする。クローン性造血のマウスモデル、肺高血圧症マウスモデル作成と心機能解析、肺組織の免疫染色に加えて、フローサイトメトリー法やRNAシークエンス法を用いて、多面的な解析を行い、肺高血圧症発症に関わるメカニズム解明を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、クローン性造血のマウスモデル、肺高血圧症マウスモデル作成と心機能解析、肺組織の免疫染色に加えて、フローサイトメトリー法による検討を行った。骨髄由来血液細胞を特徴化するために、クローン性造血マウスとGFPマウスとのダブルミュータントマウスを作成して解析を継続している。ACVRL1に着目して、ルシフェラーゼアッセイによるプロモーター解析を行った。また、ヒト検体を用いた解析では、ヒト臨床研究プロトコールを福島県立医科大学倫理委員会で承認を受けた後、末梢血液の好中球を単離し、RNAを抽出して、リアルタイムRT-PCRでACVRL1発現量を定量解析の予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度に続いて、クローン性造血のマウスモデル、肺高血圧症マウスモデルを用いて、骨髄造血幹細胞-骨髄球-末梢循環好中球-肺好中球の全分化段階の網羅的解析により、骨髄-肺ネットワークに関与する重要な新規分子の同定とその機能解析を行い、肺好中球分化のダイナミズムという新しい観点からアプローチする。RNAシークエンス解析に取り組んでおり、さらなる解析を行う予定である。さらに、ACVRL1下流シグナルであるSmad1/5/8に対する抗体を用いてクロマチン免疫沈降を行い、Smad1/5/8と結合したターゲット分子をリアルタイムPCR法などでの定量解析を検討している。
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Causes of Carryover |
123円の繰越しが生じてしまったが、翌年度分として請求した助成金と合わせ使用予定。
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[Journal Article] Clonal hematopoiesis with JAK2V617F promotes pulmonary hypertension with ALK1 upregulation in lung neutrophils.2021
Author(s)
Yusuke Kimishima, Tomofumi Misaka, Tetsuro Yokokawa, Kento Wada, Koki Ueda, Koichi Sugimoto, Keiji Minakawa, Kazuhiko Nakazato, Takafumi Ishida, Motohiko Oshima, Shuhei Koide, Kotaro Shide, Kazuya Shimoda, Atsushi Iwama, Kazuhiko Ikeda, Yasuchika Takeishi
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Journal Title
Nature Communications
Volume: 12
Pages: 6177
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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