2023 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21K08124
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
小澤 綾佳 富山大学, 学術研究部医学系, 助教 (40596540)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊吹 圭二郎 富山大学, 学術研究部医学系, 助教 (20566096)
仲岡 英幸 富山大学, 附属病院, 診療助手 (30725784)
廣野 恵一 富山大学, 学術研究部医学系, 講師 (80456384)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 孤立性右室低形成 / 心筋症 |
Outline of Annual Research Achievements |
孤立性右室低形成(IRVH)は、希少疾患であり、診断基準も含めその臨床像は、十分に調査はされていない。そのため、本研究では、IRVHの全国調査を行い、その疫学、臨床経過や予後についての調査を行った。 全国の小児循環器関連施設にアンケート調査を行い、共同研究施設として35施設を登録した。IRVHの診断基準は、心臓カテーテル検査または心臓MRI検査で右室容量が70%以下であること、右室流出路に中等度以上の狭窄がないこととした。臨床情報と心臓カテーテル検査所見を収集した。登録症例は14例(男性7名)。診断年齢は0-9歳(中央値0歳)で、9例(64.2%)が日齢10までに診断されていた。14例中2例は兄弟例であった。診断の契機は、チアノーゼ8例(57.1%)、検診やスクリーニング5例(35.7%)であった。診断時平均SpO2は88±9.8%で、90%以下の症例が9例(64.2%)であった。心臓カテーテル検査所見では、右室拡張末期容量正常比(RVEDV正常比)は51.8±19.5%であり、右室拡張末期圧は8.3±2.9mmHgであった。外科的治療は5例(35.7%)で施行された。内訳は、BTシャント2例、ASD半閉鎖、ASD閉鎖+右室筋切除術、1.5心室修復術、フォンタン手術が各1例であった。フォローアップ中(中央値41.4か月)に、死亡例はなかった。1心室または1.5心室修復術、体肺シャントを要した群はRVEDV正常比が50%以下であった。 IRVHでは、フォロー中に35.7%で外科的治療を要した。さらに1心室修復や体肺シャントを要する群は、よりRVEDV正常比が低値であることが示唆された。RVEDV正常比が50%以下であることは、体肺シャントや1心室修復を要するリスク因子である可能性がある。IRVHの予後規定因子を明らかにするためには、症例数を増やしさらなる検討を行う必要がある。
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