2021 Fiscal Year Research-status Report
Translational research using molecular form of B-type natriuretic peptide
Project/Area Number |
21K08126
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
錦見 俊雄 京都大学, 医学研究科, 非常勤講師 (80291946)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高濱 博幸 東北大学, 大学病院, 助教 (10570301)
南野 直人 (財)蛋白質研究奨励会, その他部局等, 研究員(移行) (50124839)
中川 靖章 京都大学, 医学研究科, 助教 (70452357)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | BNP / proBNP / 心不全 / ARNI / 分子型 |
Outline of Annual Research Achievements |
急性心不全で入院した患者を対象に入院時の我々が開発したproBNP、total BNP測定系を用いてmature BNPを算出し、mature/total BNP比率を測定すると、入院時のmature/total BNP比率が高い患者では退院後長期フォロー時に左室の駆出率は改善する可能性のあることが示唆された。このことから急性心不全入院時のmature/total BNP比率の測定は左室の収縮機能回復の予知因子になる可能性が示唆され、proBNPをmature BNPに変換する能力の維持が、将来の心室収縮力の回復と関連する可能性が示唆された。ARNIを投与前後でBNPの分子型の測定とNT-proBNP、ANPなどを同時に測定し、左室リモデリングの関係を予備的に検討した。ARNI投与後2週間でmature BNPは増加し、mature/total BNP比率も増加した。proBNPは低下する例、変わらない例、少し増加する例がみられた。ANPは2倍以上に増加、NT-proBNPは概ねproBNPの変化と似ていた。4ー5週間後では、心不全が改善する例ではmature BNP、proBNPも低下し、total BNPも低下した。一方、ARNIに対するnonresponder例ではmature/total BNP比率の増加がみられてもtotal BNPは大きな変化は見られない、もしくは少し増加傾向にあった。今後、症例数も増やして詳しく検討していきたい。基礎研究においてはヒトproBNPを心臓で発現するトランスジェニックマウスが誕生し、現在その心臓での発現や血中BNP, proBNP濃度の解析を行っているところである。proBNPのprocesing部位に変異を入れて切断できない様に工夫したトランスジェニックマウスも誕生し、心不全の易発症性などについても検討予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍で大学病院での症例数が十分に集まらなかったこと、共同研究者が移動になり、国立循環器病研究センターでの症例数が集まらなかったこと、共同研究者が移動した東北大学での研究のセットアップに時間を要したことなどが理由として考えられる。また申請者も大阪から京都大学に移動がコロナ禍で制限され、WEBでの会議などは行っていたが、実地面での研究の遅れが生じたことが挙げられる。京大病院での症例はリサーチナースなどの支援も受けれることが決まり、今後外来担当医にお願いして症例数を増やしていく予定である。共同研究者である高濱先生は国立循環器病研究センターから東北大学に移動となり、研究の立ち上げに時間がかかっていたが、ようやく落ち着いてきた様で、今後の症例数の増加が期待できる。
|
Strategy for Future Research Activity |
臨床研究においては、共同研究者の高濱も東北大学への移動後、研究のセットアップも徐々に進みつつあるので今後の症例数の確保も期待できる。京都大学病院では臨床研究を支援する体制も整いつつあり、また研究協力者も増えて徐々に患者の登録も増えつつあり、臨床サンプルの増加が期待できる。現在多くの症例の登録を行っているところである。基礎研究においてもヒトproBNPを心臓で発現するトランスジェニックマウスが誕生し、現在その心臓での種々の遺伝子発現や血中BNP, proBNP濃度の解析を行っているところである。このヒトproBNPを心臓で発現するトランスジェニックマウスの系統の維持と、このマウスを用いた心不全の研究を計画しているところである。proBNP、total BNP測定系についても共同研究者の南野は国立循環器病研究センターで新たな研究の場所を得て活動できる事になり、proBNP、total BNP測定系の維持やこの測定系を用いた研究も共同で行う予定である。
|
Causes of Carryover |
cxxvcx
|
Research Products
(9 results)
-
[Journal Article] NRSF-GNAO1 pathway contributes to the regulation of Cardiac Ca2+ homeostatis.2022
Author(s)
Inazumi H, Kuwahara K, Nakagawa Y, Kuwabara Y, Numaga-Tomita T, Kashihara T, Nakada T, Kurebayashi N, Oya M, Nonaka M, Sugihara M, Kinoshita H, Yanagisawa H, Nishikimi T, Motoki H, Yamada M, Morimoto S, Otsu K, Mortensen RM, Nakao K, Kimura T.
-
Journal Title
Circ Res
Volume: 130
Pages: 234-248
DOI
Peer Reviewed
-
-
[Journal Article] Molecular ratio of mature B-type natriuretic peptide in acute heart failure: an indicator for ventricular contractile recovery2021
Author(s)
Kimura A, Takahama H, Nishikimi T, Takashio S, Hayashi T, Nagai-Okatani C, Nakagawa Y, Yasuda S, Anzai T, Minamino N, Izumi C.
-
Journal Title
ESC Heart Fail.
Volume: 8
Pages: 5617-5621
DOI
Peer Reviewed / Open Access
-
-
-
-
-
-