2022 Fiscal Year Research-status Report
Translational research using molecular form of B-type natriuretic peptide
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21K08126
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
錦見 俊雄 京都大学, 医学研究科, 非常勤講師 (80291946)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高濱 博幸 東北大学, 大学院, 講師 (10570301)
南野 直人 (財)蛋白質研究奨励会, その他部局等, 研究員(移行) (50124839)
中川 靖章 京都大学, 医学研究科, 助教 (70452357)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 心不全 / BNP / mature BNP / proBNP / N-terminal BNP / ANP / ARNI / 心臓リモデリング |
Outline of Annual Research Achievements |
心不全患者におけるARNI投与前後のBNP分子型並びにANPの変化と心臓リモデリングの関係についての研究で30症例の時点で一旦測定を行い、解析した。年齢は75±14歳、男性60%、心エコーでのLVEFは46%、NYHA1.6±0.5であった。ARNI投与2WでANPは約2.6倍増加、mature BNPも約1.6倍増加、Total BNPは約1.3倍増加した。一方N-terminal proBNPは約10%、proBNPは約6%低下した。4WでANPは2Wに比べて約1.1倍増加し、mature BNPは逆に約0.8倍に減少、Total BNPはほぼ前値まで低下した。一方N-terminal proBNPは2Wに比べさらに約15%低下し、proBNPは2Wに比べさらに約8%低下した。8-10WではANP、mature BNP、total BNPは軽度増加したが、proBNP、N-terminal proBNPは4Wに比べさらに低下し、proBNPもさらに低下した。心エコーでLVEF、LVEDVIが改善、もしくはN-terminal proBNPが低下した例をresponder(n=22)、それ以外をnonresponder(n=8)として比較した。responder群では2Wでtotal BNPは軽度増加したが4Wでは前値よりも低下し、8-10Wではその値を維持した。proBNP、N-terminal proBNPは2W、4W、8-10Wと低下を続けた。ANPは2Wで2倍に上がるがその後は横這いで、mature BNPは2Wで軽度上がるが4Wでは前値以下で8-10Wでは変化なかった。各分子種はARNI投与前、2W、4W、8-10Wでそれぞれ相関係数0.70~0.98で高い相関を認めた。これらの結果はARNIで分解抑制の影響を受ける分子(ANP、mature BNP)もあるが、総じて薬が効けば低下し、無効の場合は上昇するなどほぼ同じ方向で挙動することが示唆された。 基礎研究ではヒトproBNPを心臓で発現するトランスジェニックマウスが誕生し、心臓におけるmRNA発現は増加し、血中ヒトBNP、proBNP濃度は正常ヒト濃度の数倍高いことを確認した。proBNPがprocessingできなくなったトランスジェニックマウスも誕生し、今後TACモデルなどを作成、心不全の易発症性などについても検討予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナ感染症で外来患者さんの登録が十分進まなかった。また入院患者も新型コロナ感染症のクラスター発生などで制限されたことも、登録に支障をきたした一因となった。また申請者の大阪ー京都大学間の移動も新型コロナ感染症の第6波や第8波の時はかなり制限された。さらに技術員の方やその家族が新型コロナ感染症に感染し、仕事を休まないといけないことになり、BNP分子種の測定に支障をきたしたことなどがあった。
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Strategy for Future Research Activity |
ようやく新型コロナ感染症も落ち着きつつあるので、新規の心不全登録患者を増やすように努めていきたい。またアドレノメデュリン、CNP、cGMP、ネプリライシンなどの測定も、今後行なっていきたいと考えている。ARNI投与時の心臓リモデリング改善にどのホルモンが最も影響を与えるのか、またresponder、nonresponderを決めているのは何なのか、などの解明を行なっていく予定である。ヒトBNPのトランスジェニックマウスも生まれたので、今後このマウスを使用して、心不全のproBNPの易発症生の研究も行っていきたい。
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Causes of Carryover |
成果発表のために旅費を計上していたが、新型コロナ感染症のため学会はWEBで行われ、旅費の使用がなかった。また実験の補助のために実験補助員に予算を計上していたが、実験補助員が新型コロナ感染症に罹患し、実験ができなくなり人件費、謝金の使用がなかった。
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Research Products
(11 results)
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[Journal Article] NRSF-GNAO1 pathway contributes to the regulation of Cardiac Ca2+ homeostatis2022
Author(s)
5.Inazumi H, Kuwahara K, Nakagawa Y, Kuwabara Y, Numaga-Tomita T, Kashihara T, Nakada T, Kurebayashi N, Oya M, Nonaka M, Sugihara M, Kinoshita H, Yanagisawa H, Nishikimi T, Motoki H, Yamada M, Morimoto S, Otsu K, Mortensen RM, Nakao K, Kimura T.
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Journal Title
Circ Res
Volume: 130
Pages: 234-248
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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