2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of Prognostic Model Using Acute Clinical Parameters in Acute Myocardial Infarction
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21K08130
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
田中 敦史 佐賀大学, 医学部, 特任教授 (00594970)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野出 孝一 佐賀大学, 医学部, 教授 (80359950)
吉岡 吾郎 佐賀大学, 医学部, 医員 (80899146)
吉田 寿子 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 特任准教授 (60437788)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 急性心筋梗塞 / 予後予測 / リスクモデル / バイオマーカー / 心不全 / 腎障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
急性心筋梗塞後の腎障害の発症に関する予後予測モデルの作成、および心不全の発症に対するリスク因子とのして血清アルブミン値に関する研究を中心に実施した。 まず、経皮的冠動脈治療を受けた日本人STEMI患者連続908例を対象に、急性心筋梗塞入院時の血液検査項目の組み合わせによる、急性腎障害に対するリスクスコアモデルを作成した。多変量解析により、血糖値、高感度トロポニン I、血清アルブミン値、eGFRの4つの変数が有意であることが判明した。それらの因子を用いたリスクモデルを構築した結果、既存の予測モデルよりも簡便にかつ同等の予測能をもって急性腎障害の発症が予測可能であった。本研究論文は、米国心臓病学会のYoung Author Achievement Awardを受賞した。 心不全の予測因子としての血清アルブミン値に関して、先行研究をさらに発展させ、日本人AMI患者連続1424例を対象に、入院時から一年後の血清アルブミン値の変化を詳細に追跡し、入院時の血清アルブミン値にかかわらず、遠隔期における血清アルブミン値の低下が心不全を含む長期予後の悪化に関連することを見出した。 その他の急性心筋梗塞後のリスク因子の探索として、血糖関連指標や心不全バイオ-マーカーに関する検討を継続している。 また、研究の発展型として多施設データベースに基づき、急性心筋梗塞患者の院内出血リスクモデルを作成した。その因子として、ヘモグロビン値、白血球数、血小板数、血清アルブミン値、eGFRの組み合わせにより、シンプルかつ客観的に院内出血を予測できることが判明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画していた研究の基盤となる予後側モデルの作成、および関連因子の探索に関して、上記の通りの研究進捗が得られている。 また、研究期間後半における発展型と想定していた多施設データベースを活用したモデルの作成においても一部結果が得られていることから概ね順調に進展しているものと考える。 一方で、研究の基盤の一つである、慢性期の予後予測モデル作成については、論文発表には至っていないものの、解析が進行し、研究成果の発表へ向けた準備段階である。
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Strategy for Future Research Activity |
一般採血指標の組み合わせによる予後予測モデルの構築に関して、急性心筋梗塞後の慢性期予後に対する予測モデルの構築、および研究成果の公表へ向けた準備を継続する。 心筋梗塞後の心不全の発症に関する予測因子として、慢性期における左室駆出率の変化に応じた予後との関連を解析し、慢性期予後予測における心機能評価の臨床的重要性を明らかにする。 多施設データベースを用いた研究の発展について引き続き議論を重ね、新たな研究の着眼点を探索する。
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Causes of Carryover |
研究課題が想定よりも進捗したため、論文作成費用への支出を見込んでいたが、一部の論文作成に時間を要したため、次年度に繰り越したが、次年度の早期の段階で論文作成費用として使用する予定である。
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