2021 Fiscal Year Research-status Report
Residual risk control in familial hypercholesterolemia: Basis for development of cholesterol efflux enhancers
Project/Area Number |
21K08143
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
小倉 正恒 千葉大学, 大学院医学研究院, 特任准教授 (30532486)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | HDL機能 / コレステロール搬出能 / 家族性高コレステロール血症 / リン脂質 / ホスフォリパーゼ |
Outline of Annual Research Achievements |
後述の通り、異動や研究室の移転に伴い研究環境の整備に時間を要し、基礎研究が実施できない状況であったため、外部委託で可能な研究活動を実施した。HDL粒子が一部のフォスフォリパーゼ活性の亢進により小型化した場合にコレステロール引き抜き能が低下し、動脈硬化の進展と関連するという仮説のもとに、HDLをゲルろ過クロマトグラフィ法で粒子サイズで分画し、その亜分画が占める割合と引き抜き能、動脈硬化との関連を家族性高コレステロール血症患者105名の検体で検討した。 粒子サイズが最も大きいHDL粒子の比率よりも2番目に大きい亜分画の比率が高い方がコレステロール引き抜き能が高く、また頚動脈の最大内膜中膜複合体厚(max IMT)との負の関連性の傾きが強かった。すなわち、the larger, the betterではない可能性が示唆された。仮説通り、平均10.9 nmよりも小さいHDLの比率が多いとコレステロール引き抜き能は低かったが、一方で粒子サイズが平均9.8 nmよりも小さいsmall/very small HDLの比率が高いとコレステロール引き抜き能は低いものの、動脈硬化の重症度とは関連がなく、必ずしもthe smaller, the worseではなかった。しかし、もっとも小さい粒子サイズのHDL亜分画が多いほど動脈硬化抑制的でもなく、他のHDL機能(抗酸化能など)が引き抜き能の低下を補っている可能性が示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2021年5月に千葉大学に異動し、また異動先の研究室が新研究棟に移転するタイミングと重なってしまったため、研究環境を整えることに時間を要したため。
|
Strategy for Future Research Activity |
残余検体を用いて各種フォスフォリパーゼ濃度を測定し、引き抜き能や動脈硬化との関連性を明らかにする。関連が見られた場合にはその分子メカニズムを明らかにする。またHDLの粒子サイズで分画した上記結果に基づいて、小粒子HDLの引き抜き能以外のHDL機能(抗酸化能など)の測定を進める。
|
Causes of Carryover |
千葉大学への異動および研究室の新研究棟への移転があったため、研究環境の整備に時間を要したため。また他の研究費でも消耗品は賄えたため。
|