2023 Fiscal Year Research-status Report
Residual risk control in familial hypercholesterolemia: Basis for development of cholesterol efflux enhancers
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21K08143
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
小倉 正恒 順天堂大学, 医療科学部, 教授 (30532486)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | コレステロール引き抜き能 / 家族性高コレステロール血症 / HDL |
Outline of Annual Research Achievements |
心筋梗塞症例と非心筋梗塞症例においてHDLコレステロール(HDL-C)値とコレステロール引き抜き能(cholesterol efflux capacity: CEC)、全身の酸化ストレス指標となるマーカー(酸化アルブミン)との関連を検討する症例対照研究を開始し、①HDL-C値とCECの関連は正常対照群よりも心筋梗塞患者において低いこと、②心筋梗塞患者における全身の酸化ストレス指標はCECで予測できるが、HDL-C値では予測できないこと、という知見を得た(J Atheroscler Thromb. 2024 Feb 20. doi: 10.5551/jat.64691)。 また、CECがHDLの抗酸化作用の一部を担うparaoxonase 1 (PON1)の活性とPON1遺伝子多型の両方に関連することを明らかにした(J Atheroscler Thromb. 2024 Mar 19. doi: 10.5551/jat.64711)。 家族性高コレステロール血症患者におけるコレステロール取り込み能(cholesterol uptake capacity: CUC)の臨床的意義に関する金沢大学と神戸大学の共著論文に対し、Editorial Commentsを執筆した(Circ J. 2023 May 25;87(6):813-814)。 家族性高コレステロール血症患者のコレステロール引き抜き能を低下させる要因としてのLp(a)の関与を見出し、2024年度の国内および国外学会での発表に採択されたため、現在、論文化を進めている。 家族性高コレステロール血症関連では、日本循環器学会の「冠動脈疾患の一次予防に関するガイドライン(改訂版)」の班員として「家族性高コレステロール血症」の項を担当し執筆した(Circ J. 2024 Apr 25;88(5):763-842.)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
sPLA2-VのELISAキットの不具合により予備検討結果の検証が遅れている。一方でHDL-C値よりもCECが心筋梗塞急性期における酸化ストレス状態を反映していること、抗酸化能とCECの関連について新たな発見があった。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続きPLA2活性とCECの関連を追究したいが、ELISAキットの不具合が改善されない場合は、新たに見出したLp(a)とCECの関連についてさらに検討を深め、論文化につなげたい。
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Causes of Carryover |
信頼できるPLA2のELISAキットを検索できなかったため。また他の研究費で消耗品や旅費等は賄えたため。2024年度は引き続き信頼できるELISAキットの検索と購入、引き抜き反応実験に用いるアポリポ蛋白A-IやHDLの購入、反応の変化のメカニズムを明らかにするためのWestern Blotting実験に用いる抗体医薬などの購入、新規に見出したLp(a)と引き抜き反応に関する国際学会発表の旅費などに充てる。
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Research Products
(25 results)