2021 Fiscal Year Research-status Report
肺炎・肺線維症におけるミトコンドリア DNAダメージ関連分子パターンの機能解析
Project/Area Number |
21K08146
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
奥村 俊介 旭川医科大学, 医学部, 助教 (10516339)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 間質性肺炎 / 肺線維症 / ミトコンドリアDNA |
Outline of Annual Research Achievements |
①培養細胞実験におけるミトコンドリアDNAの機能を検討する実験 正常細胞からミトコンドリアDNAを抽出して肺線維芽細胞へ投与し、その機能を評価する実験を行っている。WI38細胞からミトコンドリアDNAを抽出した。抽出したミトコンドリアDNAの品質は良好であった。ヒトの血中ミトコンドリアDNAは長さ100-200bp程度の断片として存在することが知られているため、細胞から抽出したミトコンドリアDNAを断片化してヒト血中ミトコンドリアDNAを実験でも再現することとした。当初、酵素処理によるミトコンドリアDNAの断片化を計画していたが、酵素処理ではミトコンドリアDNAは100-200bpへの断片化には至らず、他の方法を用いることとした。このため、別の方法として超音波破砕処理によるミトコンドリアDNAの断片化を行う計画へと変更した。超音波処理による断片化は、超音波処理のプロトコールを最適化する必要があり、断片化における最適な超音波処理の出力・処理の時間を決定するため、研究を継続している。 ②肺炎患者血中のミトコンドリアDNAレベルの測定 肺炎患者における血中のミトコンドリアDNAレベルを測定するため、digital PCR法を用いたミトコンドリアDNA発現レベルの測定を行なっている。研究の実施にあたって倫理委員会の承認は得ているため、患者集積を行なっている。現時点では20症例の臨床サンプルを確保している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
基礎実験におけるミトコンドリアDNAの断片化処理につき、実験プロトコールの最適化を行なっているが、当初の計画よりも進行が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
ミトコンドリアDNAの断片化処理が最適化された段階で、計画しているダウンストリームの研究を逐次行なっている。 引き続き、患者血液検体の集積を行い、目標症例数まで集める。
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Causes of Carryover |
ミトコンドリアDNAの断片化処理の実験プロトコールの最適化に時間を要しており、実験の進捗が遅れている。このため、初年度の実験を翌年度に持ち越すこととし、繰り越す助成金を基礎実験、臨床研究にあてる。
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