2022 Fiscal Year Research-status Report
肺炎・肺線維症におけるミトコンドリア DNAダメージ関連分子パターンの機能解析
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21K08146
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
奥村 俊介 旭川医科大学, 医学部, 助教 (10516339)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ミトコンドリアDNA / 肺炎 |
Outline of Annual Research Achievements |
臨床研究では、間質性肺炎および肺線維症の患者における血中ミトコンドリアDNAのコピー数の比較を行った。ミトコンドリアDNAコピー数を測定する際、高感度にミトコンドリアDNAの定量を行えるようDigital PCR法による測定法を開発した。間質性肺炎については、患者を慢性進行性の間質性肺炎・肺線維症と、非進行性の間質性肺炎・肺線維症の患者に分けて解析を行った。慢性進行性の間質性肺炎患者と非進行性の間質性肺炎の患者で血中ミトコンドリアDNAのコピー数の比較を行ったが、両群で明らかな差を認めなかった。さらに全間質性肺炎・肺線維症患者の血中ミトコンドリアDNAコピー数を、血中SP-D、血中KL-6、%FVC、%DLCOの各所見と比較したところ、いずれの所見についても血中ミトコンドリアDNAコピー数との相関を認めなかった。これら結果について、血液中のミトコンドリアDNAコピー数が、慢性期の間質性肺炎・肺線維症の病態以外の影響を受け、疾患特異性や臓器特異性に問題があると考察した。我々は疾患特異性や臓器特異性の問題を解決するため、患者の血液サンプルではなく、呼気凝縮液のサンプルを採取し、呼気凝縮液中のミトコンドリアDNAのコピー数を検証する実験を行うこととした。このため、呼気凝縮液サンプルからDNAを抽出してミトコンドリアDNAをDigital PCR法で測定する新たな測定法を開発した。この測定法により、健常者から採取した呼気凝縮液中のミトコンドリアDNAコピー数を高感度に測定できることができるようになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新たに呼気凝縮液のサンプルを用いたミトコンドリアDNA測定を実施するにあたり、測定法の開発に時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
臨床研究では、呼気凝縮液を用いた新たなミトコンドリアDNA測定法を用いて、患者サンプルの解析を行う。また、ミトコンドリアDNAの作用機序を検証すべく、基礎研究を継続していく。
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