2022 Fiscal Year Research-status Report
CYP27A1: A novel target for treatment of asthma
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21K08147
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
市川 朋宏 東北大学, 大学病院, 講師 (20405450)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 気管支喘息 / 好酸球 / ダニ抗原 / CYP27A1 / 27-hydroxycholesterol |
Outline of Annual Research Achievements |
代表的な吸入抗原であるダニの抽出液(HDM)を用いた喘息マウスモデルにおいて、オキシステロールの1つである27-hydroxycholesterol (27-HC)の喘息病態における役割を検討している。HDMをマウスに投与すると、気道炎症の促進と好酸球数の増加とともに気道内で27-HC産生酵素であるCYP27A1の発現が亢進することを確認した。Ca-blockerはCYP27A1の阻害作用を有するため、既報よりCYP27A1の阻害作用が比較的強いニルバジピンをCYP27A1阻害薬として用いた。CYP27A1を投与しておくとHDMによる気道炎症惹起作用や好酸球動員作用が有意に抑制された。一方同じCa-blockerであるアムロジピンを用いて同様の検討行ったところ、アムロジピンにはHDMによる気道炎症や好酸球増加を抑制する作用が見られないことがわかった。ニルバジピンの作用がCYP27A1阻害によるところをさらに確認するために同じくCYP27A1阻害作用を有するanastrozoleを用いて、HDMによる気道炎症の抑制作用がCYP27A1特異的に働いているかどうかを確認した。anastrozoleもニルバジピンと同様に、HDM誘導性の気道炎症を抑制した。上記の結果から、HDMを介した気道炎症にはCYP27A1が関与することが示唆された。CYP27A1の最終産物である27-HCを起動上皮細胞に投与し、喘息と関連したメディエーターやタンパクなどの産生への影響やそのメカニズムをin vitroの系で現在検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度も予定通りマウスを用いた実験を行った。Common aerallergenであるヤケヒョウヒダニの抽出物 (Der p 1)を抗原として、マウスに経軌道的に投与する喘息モデルを用いてCYP27A1と喘息病態の役割を検討した。本年度はCYP27A1が喘息病態に関与することをこのモデルを用いて確認することができた。CYP27A1の最終産物である27-hydroxycholesterolの喘息病態における生物学的作用を確認するため気道上皮細胞を用いて、各種メディエーターや関連タンパクの測定を行っている。 研究は順調に進んでおり、論文化の目処も立っている。
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Strategy for Future Research Activity |
動物実験でHDM誘導性炎症におけるCYP27A1の関与が明らかになったことを踏まえ、気道内での27-HCの産生や、27-HCの気道上皮細胞に対する生物学的作用を本年度は検討していく。動物実験と培養細胞の実験結果をまとめ、今年度中に論文投稿を目指す。
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Causes of Carryover |
本年度は昨年度の研究で収集した動物の検体サンプルを用いた実験が主体となり、マウスの飼育にかかる費用等が予定よりかなり抑えることができたため。 翌年にはタンパクの研究に加え、予算に応じて比較的な高額な遺伝子の網羅的解析も行う予定である。
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