2021 Fiscal Year Research-status Report
複数のクローディン分子連携による小細胞肺癌の悪性形質制御機構
Project/Area Number |
21K08164
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
柏木 維人 獨協医科大学, 医学部, 助教 (50722451)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢澤 卓也 獨協医科大学, 医学部, 教授 (50251054)
矢澤 華子 (佐藤華子) 獨協医科大学, 医学部, 講師 (60438132)
石井 順 獨協医科大学, 医学部, 助教 (80749599)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | クローディン / 小細胞肺癌 / 肺がん / タイト結合 / 転写因子 |
Outline of Annual Research Achievements |
上皮細胞や上皮由来のがん細胞にみられるタイト結合の主要な構成分子であるクローディンは、がん細胞とその起源である正常細胞とでは異なる発現パターンを示すことが知られている。その特徴をいかしてクローディンをがんの診断マーカーとして活用する研究や、クローディンの発現意義に関する研究が数多く行われている。 まず、従来からもっとも小細胞肺癌の悪性形質に関与するクローディンとして注目しているクローディン4の発現機序に関する検討を行っているところである。クローディン4の発現を制御すると予想される複数の転写因子を過去の研究論文やデータベース等からリストアップし、それらの転写因子の遺伝子ノックアウト細胞株を作成した。今後はこれらの細胞株を用いて、小細胞肺癌におけるクローディン4の発現機序を解明していく予定である。 次に、小細胞肺癌細胞株においてクローディン4以外にどのようなクローディンが発現しているのかを確認するために、複数の小細胞肺癌細胞株とその対照群となる正常肺気管支上皮細胞株をqRT-PCRに供した。その結果、クローディン4以外にも複数種類のクローディンが小細胞肺癌細胞株において発現上昇していることが明らかとなった。一方で、小細胞肺癌細胞株において発現低下がみられるクローディンはなかった。この結果を踏まえ、発現上昇のみられたクローディンが悪性形質に関与しているのかを検討し、さらにはそれらとクローディン4との相互作用に関する検討なども行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
転写因子の遺伝子ノックアウト細胞株の作成に時間を要したため、やや予定より研究が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
小細胞肺癌細胞におけるクローディン4の発現機序の解明、さらにはクローディン4以外のクローディンの悪性形質への関与、クローディン4との相互作用についての研究を行う予定である。
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Causes of Carryover |
遺伝子ノックアウト細胞株の作成に時間を要し、研究の進捗がやや遅れたため生じた。次年度に候補クローディン分子の悪性形質への関与や、クローディン同士の相互作用を検討する実験に使用予定であり問題はない。
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