2023 Fiscal Year Annual Research Report
複数のクローディン分子連携による小細胞肺癌の悪性形質制御機構
Project/Area Number |
21K08164
|
Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
柏木 維人 獨協医科大学, 医学部, 助教 (50722451)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢澤 卓也 獨協医科大学, 医学部, 教授 (50251054)
矢澤 華子 (佐藤華子) 獨協医科大学, 医学部, 講師 (60438132)
石井 順 獨協医科大学, 医学部, 助教 (80749599)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | クローディン / 小細胞肺癌 / 肺がん / タイト結合 |
Outline of Annual Research Achievements |
クローディンは上皮細胞や内皮細胞においてタイト結合を構成する主要な分子であり、哺乳類ではこれまでに27種類が同定され、それらはまとめてクローディンファミリーと呼ばれる。正常な上皮細胞にとどまらず様々ながんにおいてもクローディンの発現が認められ、その発現はがんの悪性形質に影響を与えるケースが多々認められている。 我々は本研究課題ではクローディンファミリーの中でもクローディン4および3に着目し研究を行ってきた。まずクローディン4に関してはこれまでに小細胞肺癌細胞株の増殖および遊走能を抑制するという結果を得ていたが、小細胞肺癌におけるクローディン4の発現制御機構は不明であった。そこで我々はクローディン4の近位プロモーター配列を用いたレポーターアッセイやChIPなどの手法を用いて検討した結果、転写因子SP1がクローディン4発現を主に制御していることが明らかとなった。次に、クローディン4による小細胞肺癌の悪性形質抑制作用はどのようなメカニズムを経ているのかを明らかにすべく、クローディン4シグナルを伝達することが考え得る様々なタンパク質の活性化状態をリン酸化キナーゼアレイ等の網羅的な検索手法を用いて検討したが、クローディン4の発現有無で顕著に活性化状態の変化するタンパク質を同定することはできず、現在のところクローディン4による小細胞肺癌の悪性形質抑制作用の詳細な機序は不明のままである。 一方で、クローディン3は小細胞肺癌の増殖を促進することが明らかとなったが、その詳細なメカニズムは未だ解明できていない。 またこれまでの検討では、クローディン4および3の間での相乗的なプラスあるいはマイナスの効果は確認されていない。
|
Research Products
(1 results)