2023 Fiscal Year Research-status Report
単一細胞遺伝子発現解析の機械学習に基づく腫瘍進展中間段階の解明とモデル化
Project/Area Number |
21K08173
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
生島 弘彬 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (80719154)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 肺癌 / 単一細胞遺伝子発現解析 / 機械学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、単一細胞遺伝子発現解析の技術を用いて、上皮間葉転換の中間段階の実態を捉え、さらにそこに機械学習を組み合わせることで、時系列データの再現とモデル化を試みるものである。昨年度までには、正常肺組織の単一細胞遺伝子発現解析データを基に、集団内の構成配分変化だけではない上皮間葉転換の機械学習モデルを構築し、さらにその機械学習モデルを腫瘍細胞に適応することで、腫瘍細胞集団における上皮間葉転換のプロファイルを解析した。本年度は、それをさらに拡張するために、非小細胞肺癌の検体を用いた複数の単一細胞遺伝子発現解析データの統合解析を実施し、単一細胞レベルでの発現プロファイル大規模メタ解析を行った。 単一細胞遺伝子発現解析データは、組織のheterogeneityを観察するなどの目的に有用であり、既に幅広く用いられるようになったが、個体差の他、batch effectや後方パイプラインの違いにより、統合的な解析が困難となる場面も多い。そこで我々は、neural networkとvariational inferenceを組み合わせた統合解析手法を用いて単一細胞遺伝子発現解析データの統合を行い、その妥当性を検証した。その結果、統合前にはdataset単位でのクラスタリングとなっていたものが、統合後には細胞種単位でのクラスタリングが可能となった。その結果、単一細胞レベルでの発現プロファイルの統合メタ解析が可能となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
neural networkとvariational inferenceを組み合わせた統合解析手法を用いて単一細胞遺伝子発現解析データの統合を行い、その妥当性を示すことで、今後の統合メタ解析の基礎データを得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、得られた統合メタ解析データを用いて、非小細胞肺癌細胞群における各subpopulationの生物学的意味付けを行っていく。
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Causes of Carryover |
端数の残額が生じたため、次年度の消耗品等の経費に充当する予定である
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