2021 Fiscal Year Research-status Report
The differences between Interstitial lung diseases with IgG4-positive cell infiltration and IgG4-related respiratory disease
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21K08175
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
山本 洋 信州大学, 学術研究院医学系, 准教授 (00322131)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上原 剛 信州大学, 学術研究院医学系, 准教授 (80402121)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | IgG4 / IgG4関連呼吸器疾患 / 特発性間質性肺炎 |
Outline of Annual Research Achievements |
東京びまん性肺疾患研究会の協力を得て全国各施設から症例を集積し、呼吸器内科、放射線科、病理の専門医が集まって厳格なMDD検討を行った結果、血清IgG4高値(>135mg/dL)で肺組織にIgG4陽性細胞浸潤(IgG4+>10/HPF、かつIgG4+/IgG+>40%)を認めた間質性肺炎の17例を解析し、IgG4-positive interstitial pneumonia(IP)として国際学会で報告し、英文雑誌に掲載された。ステロイド治療によってすりガラス陰影の改善はみられるが、多くの症例で網状影が残存、あるいは増悪し、急性増悪や死亡例もある疾患であることが判明した。これまで報告されている予後良好なIgG4関連呼吸器疾患(IgG4-RRD)とは異なった新しい疾患カテゴリーである可能性を世界で初めて提唱し、IgG4-RRDとは異なった管理を行うことを推奨した。 IgG4関連顎下腺炎の男性がUIP patternの間質性肺炎を発症した症例を、国内英文雑誌に報告した。同例の間質性肺炎は進行性の線維化が認められ、IgG4関連疾患とは独立して発症した間質性肺炎と考えるのが適切であろうと考察した。また、同例のように進行性の線維化を呈す間質性肺炎をIgG4-RRDから除外することを提案した。 さらに、IgG4-RRDと、同様に血清IgG4が高値で肺組織でリンパ路沿いに病変の主座がありIgG4陽性細胞浸潤がみられる多中心性キャッスルマン病(multicentric Castleman disease: MCD)を対象とし、両疾患の肺組織におけるIL-6の発現をRNA scope法を用いてを比較検討した結果、同法が両疾患の鑑別に有用であることを初めて英文雑誌に報告した。 本邦の特発性間質性肺炎(IIPs)の肺組織におけるIgG1,IgG4陽性細胞浸潤の臨床的意義について、国際学会で報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
血清IgG4高値(>135mg/dL)で肺組織にIgG4陽性細胞浸潤(IgG4+>10/HPF、かつIgG4+/IgG+>40%)を認めた間質性肺炎の17例を解析し、IgG4-positive IPとしてERJ-OR誌に発表した。 IgG4関連顎下腺炎の男性がUIP patternの間質性肺炎を発症した症例をInternal med誌に報告した。 IgG4-RRDと、同疾患と同様に血清IgG4が高値で、肺組織でリンパ路沿いに病変の主座がありIgG4陽性細胞浸潤が認められるMCDを対象とし、IL-6の発現をRNA scope法を用いてを評価した結果、同法が両疾患の鑑別に有用であることをBMC Pulm Med誌に報告した。
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Strategy for Future Research Activity |
本邦の特発性間質性肺炎(IIPs)の肺組織におけるIgG1,IgG4陽性細胞浸潤の臨床的意義について、国際学会で報告した内容に関して解析を加えて英文雑誌に投稿する。 我々が提唱したIgG4-positive IPを、IgG4-RRDとして扱うのが適切かどうか、ACR/EULARの分類基準に照らして検討を加える。 IgG4-RRDの診断基準に関しても改訂を行うよう検討する。
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Causes of Carryover |
新型コロナの影響による学会参加困難の影響などにより、次年度使用額が生じた。次年度使用額は令和4年度請求額と合わせて学会参加費や消耗品費等として使用する。
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Research Products
(6 results)