2021 Fiscal Year Research-status Report
ペリオスチンを基軸とした新規肺線維化機序の解明と間質性肺炎の新たな治療戦略の構築
Project/Area Number |
21K08182
|
Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
南里 康弘 (宮内康弘) 佐賀大学, 医学部, 助教 (00382218)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
出原 賢治 佐賀大学, 医学部, 教授 (00270463)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | SOX11 / ペリオスチン / 間質性肺炎 / 強皮症 / 線維化 |
Outline of Annual Research Achievements |
間質性肺炎は肺組織での不可逆的な線維化を伴い予後も極めて悪く、新しい治療薬の開発が求められている。我々は、マトリセルラータンパク質の一つであるペリオスチンが、肺線維化の形成に重要な役割を果たしていることを世界に先駆けて明らかにしてきた。また、最近、転写因子の一つであるSOX11がペリオスチンの発現を誘導し、肺線維化に関与している可能性を示唆した。しかし、SOX11による肺線維化機序については全く知られていない。そこで間質性肺炎におけるSOX11による新規の肺線維化機序の解明を目的とし、肺線維化におけるSOX11転写機構の解析を行った。1. SOX11による転写機構を介した間質性肺炎の発症機序の解析 予備的実験において、正常肺線維芽細胞に対するTGF-b刺激とSOX11発現抑制の効果の組み合わせにより、ペリオスチンの発現誘導が低下する結果を得ている。以下の項目により、肺線維化におけるSOX11の重要性について解析した。(1) コンディショナルSOX11欠損マウスを用いたブレオマイシンによる肺線維化形成の検討 コンディショナルSOX11欠損マウスにより線維化形成が抑制されていた。これよりSOX11が線維化因子を誘導し線維化を増悪している可能性が示唆された。(2) Tet-on誘導型SOX11 transgenic(tg)マウスを用いたブレオマイシンによる肺線維化形成の検討 Tet-on誘導型SOX11tgマウスの作出を試みたがtgマウスは作製できなかった。2. TGF-bシグナル経路におけるSOX11依存的線維化因子の探索・解析 正常肺線維芽細胞に対するTGF-b刺激とSOX11発現抑制の効果の組み合わせをDNAマイクロアレイで解析することにより、SOX11依存的にTGF-bにより誘導される遺伝子群 (SOX11依存的線維化促進因子)の存在を明らかにし、qPCRにより証明した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
tet-on SOX11tgマウスの作出は生まれてこなかったので作製できていないが、その他の項目については概ね進展していると考えられる。
|
Strategy for Future Research Activity |
tgマウスの作出は継続していく。その他の課題については得ている結果を基にして推進させる。 具体的には、IPF患者サンプル、肺線維化モデルマウスにおけるSOX11の発現解析、 肺線維化モデルマウスにおけるSOX11依存的線維化促進因子の発現解析、肺線維症患者におけるペリオスチンアイソフォームの同定について推進する。
|
Research Products
(2 results)