2021 Fiscal Year Research-status Report
癌性胸膜炎における免疫チェックポイント阻害剤の治療予測系の確立と効果増強戦略
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21K08185
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
間藤 尚子 自治医科大学, 医学部, 准教授 (80406149)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平原 潔 千葉大学, 大学院医学研究院, 准教授 (00707193)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 免疫チェックポイント阻害剤 / 癌性胸膜炎 / 効果予測マーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
免疫チェックポイント阻害剤は進行期肺癌において不可欠な薬剤である。現在唯一の効果予測マーカーは癌細胞上のPD-L1発現であるが、癌性胸膜炎のように組織生検の侵襲が高い病態では、PD-L1評価が困難であった。そこで、申請者は癌性胸膜炎に対する新たな評価系として、胸水中の癌細胞と免疫細胞を共培養し、抗PD-1抗体の作用下で治療反応を再現する系を開発した。現在までに、(1)抗PD-1抗体が結合したCD8+ T細胞で有意なインターフェロンγ (IFNγ)産生が確認された。また、(2) IFNγ産生量には著明な個体差があり、(3) 高IFNγ産生者には奏功例に加えて有害事象例が確認された。さらに、(4) IFNγ産生はVascular Endothelial Growth factor (VEGF)A高値例で抑制されていた。この結果を踏まえ、さらに症例を蓄積し臨床経過との相関を検証している。また、VEGF-Aの中ででも特にVEGF121との相関が見られ、VEGF121(および165)の阻害抗体を用いて免疫反応が回復するかを確認している。一方でこのほか胸水中の可溶性PD-L1とIFNγ産生に相関が見られ、胸水中可溶性PD-L1が組織と同様に新たなマーカーとなるか、今後さらに検討予定である。このほか胸水細胞そのものを用いる系で本研究を進めてきたが、オルガノイドの作成も並行して進めて技術的に可能となったため、複数の系を用いて、より効果を反映する予測系の樹立を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナ渦で肺癌患者の受け入れ自体が減少し、適応症例が減少したことが大きい。その中で、上記アッセイは可能な範囲で継続しているが、IFNγ産生は想定外にEGFR変異陽性者に多く、免疫チェックポイント阻害剤を使用しない患者も含まれ、症例数の蓄積が思うように進んでいない。また、IFNγ産生は高いが、治療効果に乖離がある症例も認められており、解釈に時間を要している。このほか、抗VEGF-A 121抗体、165抗体共に現時点ではむしろIFNγ産生が抑制されてしまい、当初の仮定と異なる結果が出ており、進め方を再検討している。
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Strategy for Future Research Activity |
VEGFに関しては、所有している抗VEGF-A(121, 165)抗体以外に、実際に薬剤として使用されているベバシズマブ、ラミシルマブを購入した。異なる抗VEGF-A抗体を購入して、その影響について再検討の予定である。一方、IFNγ産生と臨床効果との相関は本年度の症例集積をもって論文化する方針である。このほか、今回の胸水培養系に加え、腫瘍細胞のオルガノイド作成技術が確立できたたため、申請書に記載した胸水細胞をそのまま用いる系のほか、オルガノイドに免疫細胞を加えた系も合わせて検証し、有効な効果予測系の樹立を目指す。
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Causes of Carryover |
2021年は物品や試薬購入が少なく支出が少なかったが、計画書の通り今年度は抗体、試薬などの購入を予定している。また学会出張旅費や、論文校正、出版に要する費用も計上の予定である。
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