2023 Fiscal Year Research-status Report
癌性胸膜炎における免疫チェックポイント阻害剤の治療予測系の確立と効果増強戦略
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21K08185
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
間藤 尚子 自治医科大学, 医学部, 准教授 (80406149)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平原 潔 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (00707193)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 癌性胸膜炎 / 癌性胸水 / 予後予測因子 / IFNγ / バイオアッセイ |
Outline of Annual Research Achievements |
癌性胸水合併肺癌は一般的に予後不良であるが、治療効果および予後予測の指標は確立されていない。このため以下の研究を本研究費で施行した。結果1)肺癌癌性胸水を22名より採取し、胸水中の各種因子と全生存率との相関を検証した。その結果ドライバー遺伝子陽性肺癌では胸水中VEGFおよびHMGB1と全生存率が逆相関した。この結果から、VEGFおよびHMGB1は癌性胸水合併肺癌の進展に関与し、分子標的薬に加えこれらの因子を阻害する治療薬の併用が予後に貢献する可能性が示唆された。結果2)一方で免疫チェックポイント阻害剤(immune checkpoint inhibitor: ICI) の治療効果予測には、通常癌組織のPD-L1発現が指標とされるが、癌性胸水症例では組織採取が困難でありPD-L1を参考とすることが出来ない。このため我々は、ICIの効果を反映するバイオアッセイを胸水免疫細胞および癌細胞を用いて作成した。採取した癌性胸水から腫瘍細胞と免疫細胞を一定の割合で混合し、平面培養上で抗PD-1抗体を添加し反応を観察した。フローサイトメトリーで確認した結果 、抗PD-1抗体が結合したCD8+ T細胞から特異的にIFNγが産生されることが証明された。さらに、培養上清のIFNγを測定した結果、患者毎にその産生量には明瞭な個体差を認め、IFNγ高産生者では、ICIの奏功例が確認された。またIFNγ高産生者は免疫チェックポイント阻害剤を長期に使用できる傾向があった。以上より本バイオアッセイはICIの治療反応を反映する可能性があり、引き続き症例を蓄積し有効なアッセイ系の確立を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
教室員の減少により病院関連の仕事が激増し、研究活動が遅延している。
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Strategy for Future Research Activity |
バイオアッセイを施行した患者の解析にしぼり、早期の論文発表を目指す
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Causes of Carryover |
研究遅延により研究自体が次年度に繰り越されたため、残額を使用し研究を継続する。
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