2021 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
21K08203
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
小林 哲 三重大学, 医学系研究科, 教授 (20437114)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
Gabazza Esteban 三重大学, 医学系研究科, 教授 (00293770)
藤本 源 三重大学, 医学系研究科, 講師 (90378399)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 細菌叢 / マイクロバイオーム / 呼吸器 / 線維化 / 肺癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、①慢性創傷の果て、つまり肺線維化という母地になぜ肺癌が発生するのか、②肺の細菌叢はその病態に関与しているのか、③線維化および発癌におけるMUC5Bの働きと、このムチンが細菌叢の変化維持に関与するのかなどを解明することを目的とし、④副次的には肺癌発症後の、癌周囲の微小環境の変化から、肺の線維化および発癌に対しての細菌叢の関与からの線維化制御方法および発癌抑制のseedsを見出す事である。 我々の開発したヒトTGF-β1を肺に強制発現させた肺線維症マウスモデルでは、その経過中に肺の線維化とともに肺癌を発症することが判明しており、そのため、ヒトにおける肺線維化中の肺癌発症のメカニズム解析に適した世界初のマウスモデルとなっている。また、肺線維化および発癌に関与している可能性がある細菌叢を発見している。さらに、細菌叢から分泌される新規発見のペプチドをCorisinと命名し、これがアポトーシスを誘導することを発見した。この細菌叢から産生されるペプチドが線維化層の形成や発がん、癌の進行など病態に関与する可能性があり、細菌叢由来の物質に関し、それらを制御することが線維化及び発癌を抑制する可能性がある。現在、我々は、この新規ペプチドへの抗体作成に成功している。この抗体を用いて、疾患抑制の可能性に関し研究を続行している。さらに、複数の細菌や、それらの細菌由来の新規ペプチド類似ペプチドに関しての機能評価も行っており、幅広く細菌叢の、病態への関与の研究を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在の所、本研究に関しては、当初からの研究体制が整っていることもあり、特に問題もなく、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、順調に研究は進行している。細菌叢由来の新規発見ペプチドに対し、抗体作成に成功しており、その抗体を用いて病態の抑制に寄与できるかの研究を続行していく。
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Research Products
(7 results)