2023 Fiscal Year Annual Research Report
AXLを標的とした肺がん個別化医療実現に向けた基盤研究
Project/Area Number |
21K08209
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
山本 信之 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (60298966)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
洪 泰浩 和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (80426519)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 肺がん / 分子標的治療 / 薬剤耐性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究申請においては、リキッドバイオプシーによる非侵襲的なAXL発現の診断法確立及びAXLを標的とする新規治療戦略を探索するとともに、肺がん患者の長期生存を実現するためのがん個別化医療推進への基盤確立を目指すことを目的として取り組みを行った。 進行肺がん20症例におけるAXL発現陽性CTCの測定及び臨床的意義の探索をこれまでに実施し、薬物治療耐性にAXL発現陽性CTCが関与している可能性を報告した。本研究提案においては、分子標的治療薬であるEGFR阻害剤もしくはALK阻害剤での治療を受ける症例及び免疫チェックポイント阻害剤治療を受ける肺がん症例に対する前向きの臨床研究を計画していた。測定デバイスとして使用を予定してたマイクロ流路セルソーターからdeterministic lateral displacement(DLD)法への変更を行った。DLD法を用いたデバイスは、従来のデバイスよりも簡便で安価にCTCを検出、補足できる可能性があることに加え、細胞への侵襲度が低いことが期待できることより、二次的な培養の成功率向上が期待される。DLD法について、非小細胞肺癌細胞株を用いた基礎検討を実施し、デバイス流路の材質の変更を行い、検体流速及びデバイス圧の最適化を行った。今後DLD法を用いての臨床研究を実施する予定である。CTCを用いた培養についても、DLD法を用いての取り組みを継続している。上記取り組みの成果が本研究分野のブレイクスルーとなる可能性があることより、今後も研究を継続する所存である。AXL高発現EGFR阻害剤耐性肺がん細胞株の樹立については成功しており、樹立した耐性細胞株を用いて細胞増殖における影響の検証をMTTアッセイで行い、シグナル伝達に関与する分子を免疫染色やウェスタンブロット法にて評価し、耐性メカニズムの解明を実施した。
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