2022 Fiscal Year Research-status Report
The research for the pathogenesis of radiation pneumonitis to develop new treatment to supplement glucocorticosteroid
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21K08212
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
伊藤 洋子 東海大学, 医学部, 准教授 (90286451)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 肺胞上皮細胞 / バリア機能 / TNFa / グルココルチコイド / 創傷治癒 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度にも報告したが、放射線の肺胞上皮細胞単独への照射のみでは、バリア機能障害の程度が軽度であり、そのメカニズムとグルココルチコイドの効果を検討することが困難であり、本来生体ではマクロファージから産生されるTNFaが肺胞上皮細胞傷害をきたすため、TNFaで、肺胞上皮細胞を刺激するモデルで、そのバリア機能障害への影響と グルココルチコイドの影響を検討することとしており、引き続きそのモデルで検討した。TNFaはラット肺胞上皮細胞のバリア機能を障害し、グルココルチコイドは、tight junction 関連蛋白であるZO-1の分布を細胞間間隙に集簇させることによって、バリア機能を改善させる可能性を昨年報告した。今年度はその下流シグナルを検討し、myosine light chain kinase (MLCK)の発現をグルココルチコイドが抑制することでmyosine light chain (MLC)のリン酸化を抑制され、バリア機能を改善させることがわかった。 肺胞上皮細胞傷害治癒モデルに関しては、グルココルチコイドが創傷治癒を遷延させることが判明し、そのメカニズムとして、以前SDF1が肺胞上皮細胞の創傷治癒を促進させることを報告しており、その経路を検討した。グルココルチコイドはSDF1とその受容体であるCXCR4の発現を低下させることがわかり、リコンビナントSDF1蛋白でグルココルチコイドによる肺胞上皮細胞の創傷治癒遷延モデルを刺激した。しかしながら、リコンビナントSDF1蛋白ではその創傷治癒の遷延を回復させることができなかったため、最終年度でさらなる検討をする。
上記の結果は第63回日本呼吸器学会学術講演会で発表する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
順調にラット肺胞上皮細胞を用いたバリア機能障害に関しては結果が得られていて、現在論文投稿中である。一方、肺胞上皮細胞傷害治癒モデルに関しては、メカニズムの解明ができておらず、後述の方法で検討をすすめていく。
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Strategy for Future Research Activity |
肺胞上皮細胞傷害治癒モデルに関しては、いくつか創傷治癒を改善させる可能性のある候補因子が判明しており、それらのリコンビナント蛋白を使用して、グルココルチコイドによる肺胞上皮細胞の創傷治癒遅延を回復させる因子をみつけていきたい。
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Causes of Carryover |
比較的順調にすすんでいるが、コロナウイルス流行により、実験に割かれる時間がやや減少したため、残高が生じたが、令和5年度の予算とあわせて、ひきつづき、創傷治癒モデルの検討に使用する予定である。
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