2023 Fiscal Year Research-status Report
Analysis of role of YB1 in PD-L1 expression to develpe immune check point inhibitor therapy
Project/Area Number |
21K08217
|
Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
水谷 泰嘉 藤田医科大学, 医学部, 講師 (10546229)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲田 健一 藤田医科大学, 医学部, 教授 (70246081)
鈴木 元 藤田医科大学, 医学部, 教授 (80236017)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | PD-L1 / YBX1 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、PD-L1(Programmed death 1 ligand 1)の発現制御におけるYBX1(Y box binding protein 1)の機能を明らかにすることである。これまでに、肺がん細胞株においてYBX1がPD-L1 mRNAの安定性を低下させることを明らかにしている。前年度までの検証により、YBXによるPD-L1 mRNA不安定化において、PD-L1 mRNAの3'-UTRを介する可能性が示唆された。そこで本年度は、PD-L1発現にかかわるマイクロRNA(miRNA)に対するYBX1の機能に着目して検証した。肺がん細胞株Calu-1を用いて、PD-L1発現との関係性が報告されている6種類のmiRNAの3p型と5p型について、YBX1ノックダウンによる発現変化を検証した。その結果、YBX1ノックダウンによってmiR-152-3pの発現が低下することが明らかとなった。このmiRNAが、Calu-1細胞のPD-L1発現に寄与するか確認するために、antisense inhibitorによるmiRNA阻害実験を行った。Calu-1細胞にmiR-152-3pのantisense inhibitorを添加後、PD-L1発現をFACSにより解析したが、control inhibitorを添加した細胞と比較して、変化しなかった。したがって、Calu-1細胞においてmiR-152-3pはYBX1によって発現制御を受けているが、PD-L1発現制御には寄与していない可能性が高いと考えられた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
これまでにYBX1をノックダウンするとPD-L1のmRNAが安定化することを示すデータを得ていることから、YBX1によるPD-L1 mRNA不安定化機構への影響の解明を目的とした研究を進めている。この機構の解明に想定よりも時間がかかっている。今回PD-L1発現と関連が報告されているmiRNAの中からYBX1により発現制御を受けるmiRNAを同定したが、そのmiRNAがPD-L1発現制御に寄与することは証明できなかった。今回標的外としたmiRNAも含めて、YBX1により制御を受けているかどうかを調べる必要がある。以上の理由から研究の進捗はやや遅れている。
|
Strategy for Future Research Activity |
今回検索対象としたmiRNA以外のmiRNAについて、PD-L1 mRNAとの相互作用が予測されるmiRNAをデータベースを利用して検索する。PD-L1 mRNAとの相互作用の可能性が高いことが示されたmiRNAについて、YBX1ノックダウンによる発現変化を肺がん細胞株を用いて検証する。YBX1ノックダウンにより発現が減少するmiRNAが認められた場合、そのmiRNAに対するantisense inhibitorやmiRNA mimicを用いて、PD-L1発現における標的miRNAの寄与を証明する。
|
Causes of Carryover |
YBX1ノックダウンにより発現が低下するmiRNAが検出されたが、そのmiRNAのPD-L1発現への影響が確認できなかった。想定どおりの結果が得られなかったことから、さらに検証を行う時間と費用が必要となったため、次年度使用額が生じた。この費用は、miRNA検出実験用試薬類、miRNA antisenseおよびinhibotor、miRNA mimicの合成やPD-L1の検出実験用試薬類などの実験用消耗品の購入に充てる予定である。
|