2022 Fiscal Year Research-status Report
日本の一次性膜性腎症における新規責任抗原の同定と臨床実態および病態機序の解明
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21K08227
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
秋山 真一 名古屋大学, 医学系研究科, 特任講師 (20500010)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸山 彰一 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (10362253)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 膜性腎症 / ネフローゼ症候群 / 責任抗原 / 自己抗体 |
Outline of Annual Research Achievements |
一次性膜性腎症の診療では責任抗原としてPhospholipase A2 receptor(PLA2R)やThrombospondin 7A(THSD7A)が発見されたことが契機となり、最近では一次性膜性腎症だけでなく二次性膜性腎症にも関連する抗原の発見が相次いでいる。抗原が解明されたタイプの膜性腎症では自己抗体を指標にした鑑別や病勢評価など新しい診療法が普及し始めている。しかし、一次性膜性腎症の一部では未だ責任抗原が同定されておらず、とくに日本人の一次性膜性腎症患者で抗原不明なタイプが多い。本研究では、一次性膜性腎症の未知抗原を解明することで自己抗体を指標にした新しい膜性腎症の診療法が実現することを目指している。本研究では、日本人一次性膜性腎症患者の血液や腎組織を用いて未知責任抗原の探索と同定を進めている。本研究開始以前からいくつかの未知の責任抗原候補蛋白質を取得しており、本研究ではこれまでの技術的知見に基づいて更なる候補蛋白質の取得を目指した。今年度も引き続き、ポドサイト由来蛋白質の中から患者血清中に含まれるIgGが結合する蛋白質を抗原候補蛋白質としてスクリーニングした。併せて、ヒトポドサイトに発現する蛋白質からPLA2RやTHSD7Aに発現様式が似た蛋白質をin silico解析により抽出して抗原候補とした。得られた抗原候補蛋白質の組換え蛋白質の調製を順次行い、得られた組換え蛋白質と患者由来血清に含まれるIgGとの結合性を非還元条件下のWesternBlotにて評価試験を続行した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
抗原候補蛋白質の組換え蛋白質を取得して結合性確認試験に着手できた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も当初の研究計画に沿って進める。具体的には、抗原候補蛋白質の探索と同定に係る分析と検討を進める。
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Causes of Carryover |
当初の計画よりも低コストな方法で研究を進めることができたことによって次年度使用が生じた。次年度使用は抗原候補蛋白質の同定に係る実験作業を拡充するために使用する予定。
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