2022 Fiscal Year Research-status Report
オートファジーに着目した糖尿病性腎臓病治療薬の開発
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21K08229
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
山原 真子 滋賀医科大学, 医学部, 特任講師 (70731941)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ポドサイト / リソソーム |
Outline of Annual Research Achievements |
mTORC1抑制介さずにTFEBを活性化する薬剤のスクリーニングを、化合物ライブリー(計73,992化合物)を用いて行い、化合物Xを同定した。化合物Xは、in vitroにおいてmTORC1抑制を介さずにTFEBおよびオートファジーを活性化させたが、in vivoにおいては十分なオートファジー活性化を認めず、腎保護効果を示さなかった。化合物Xの投与方法の再検討を行ったが、経口投与により十分な効果を得るのは難しいと判断した。現在、他の新たな候補化合物の検索を行っている。また、これまでにオートファジー活性が報告されているスペルミジンについて、db/dbマウスへ投与する検討を行った。まずは、スペルミジンの4週間経口投与により、オートファジーの活性化を認めるかを、オートファジー活性を評価するGFP-LC3マウスを用いて検討を行った。その結果、スペルミジン投与により、ポドサイトにおけるオートファジーの活性化を認めた。そこで、同量のスペルミジンをdb/dbマウスに投与することとした。投与開始後4週間においてはdb/dbマウスにおける尿蛋白の軽減効果を認めたが、投与を継続した12週による長期投与では、db/dbマウスにおいて肥満の増悪、尿蛋白の増悪などの影響を認めた。このため、現在これらの現象における機序解明を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
化合物Xについては、動物モデルにおいてオートファジーを活性化させず、腎障害を改善させなかったが、現在、新たなオートファジー活性化薬であるスペルミジンについて、同様に糖尿病モデルマウスにおいてTFEBの活性化や腎障害の改善効果があるか検討を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、化合物ライブリーから候補となる化合物の同定を行うとともに、新たなオートファジー活性化薬を用いた糖尿病性腎臓病に対する効果についての検証を行う。
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