2023 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of mechanism of adipose differentiation around hyperplastic parathyroids
Project/Area Number |
21K08237
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
角田 隆俊 東海大学, 医学部, 教授 (50276854)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金井 厳太 東海大学, 医学部, 講師 (00535221)
澤田 佳一郎 東海大学, 医学部, 客員講師 (10420952)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 二次性副甲状腺機能亢進症 |
Outline of Annual Research Achievements |
副甲状腺摘出術(PTx)は活性型ビタミンD3製剤やカルシウム受容体作動薬に対する抵抗性を持つ、進行した二次性副甲状腺機能亢進症(SHPT)で施行される。摘出された過形成副甲状腺とその周辺組織の調査から、74%の患者で副甲状腺被膜外の脂肪組織中に異所性の副甲状腺ホルモン(PTH)分泌細胞のコロニーが多数見つかった。コロニーはすべて脂肪組織中に埋もれており、PTxによるアーティファクトではない。SHPTの初期にはびまん性の副甲状腺組織の中に高い増殖能を持つ複数の細胞が現れ、それらのクローンがそれぞれ結節を形成し多結節性腺となるが、さらに進行するとひとつの大きな結節だけからなる単結節性過形成腺になる。単一の大結節はその周囲に新たな被膜を形成し、その他の小結節やびまん性組織は被膜外へ押しやられて消失する。過形成腺周囲の脂肪組織の由来は被膜外へ押し出された副甲状腺細胞であり、異所性PTH分泌細胞は脂肪細胞に分化転換した副甲状腺細胞の名残りである可能性が推測された。実際に、ヒト副甲状腺組織を腎不全ラットの甲状腺被膜下へ移植すると、移植細胞は脂肪分化マーカー(PPARγ、Perilipin2)を発現して油滴を含む脂肪細胞に分化することが示された。次に培養細胞を用いた分化転換の機序の調査を検討したが、ヒト副甲状腺細胞には株細胞がなく、初代培養は早急に増殖能を失うので、副甲状腺細胞由来のiPS細胞を増殖させ、再び副甲状腺細胞に分化させて実験に供する系を作製した。iPS細胞を胚体内胚葉、前方前腸内胚葉、咽頭内胚葉の順に分化させ、最終的にPTHを分泌する副甲状腺細胞を誘導した。これにより培養系による副甲状腺細胞の脂肪分化転換の機序の研究が可能となった。このiPS再分化系は、これまで培養系がないために停滞していた副甲状腺過形成の機序に関する研究にも寄与すると思われる。
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Research Products
(6 results)