2022 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
21K08246
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
廣村 桂樹 群馬大学, 大学院医学系研究科, 教授 (70292597)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 腎臓病学 / 尿細管障害 / 筋線維芽細胞 / 腎線維化 / 腎不全 / 尿細管間質障害 / フローサイトメトリー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はフローサイトメトリー(FCM)を用いて腎線維化の機序を解明するものである。これまでの検討では、片側尿管結紮(UUO)を施したマウスの腎臓細胞をFCMで解析し、UUO後14日頃をピークにαSMA陽性細胞が増加し、αSMAとPDGFRβの間に強い相関があることを見出した。これにより、PDGFRβが筋線維芽細胞の適切なマーカーであると考えられた。そこで、今年度はPDGFRβをマーカーとして、UUOマウスの腎臓からFCMでPDGFRβ陽性細胞を単離した。また、UUOマウスの腎臓で増加が見られたF4/80陽性細胞も単離し、両細胞の比較を行った。FCMの条件を調整することで、それぞれの細胞を約90%の純度でソートできた。Western blotでの解析では、PDGFRβ陽性細胞からはコラーゲン1の発現が確認できたが、F4/80陽性細胞からは確認できなかった。続いて、PDGFRβ陽性細胞とF4/80陽性細胞からそれぞれmRNAを抽出し、線維化や炎症細胞の遊走、分化に関連する分子についてqPCRにより検討した。PDGFRβ陽性細胞ではcol1a、Acta2、IL1r1、CX3CL1のmRNAの上昇を確認した。一方、F4/80陽性細胞ではPDGFb、IL-1β, Ccr2, Ccr5, Ccl2, Ccl3, CX3CR1の発現が亢進していた。これらの結果から、PDGFRβ陽性細胞の一部が筋線維芽細胞となり、一方、F4/80陽性細胞はPDGFを産生するとともに様々なサイトカインやケモカインを産生して炎症や線維化の促進に関与している可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
他の腎線維化モデルの解析や培養細胞系の解析が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
1)単離細胞を用いて遺伝子発現解析用アレイを行い、筋線維芽細胞への形質変換に関連する分子を探索する。2)各種腎線維化モデルにおける筋線維芽細胞のフェノタイプの動態を検討する。3)筋線維芽細胞に形質転換をするマウス腎細胞の培養系の確立について検討する。
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