2023 Fiscal Year Annual Research Report
ウロモジュリンの生理的制御メカニズムと病態生理学的機序の解明
Project/Area Number |
21K08249
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
森 崇寧 東京医科歯科大学, 東京医科歯科大学病院, 助教 (00735813)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ウロモジュリン / 高血圧症 / ADTKD / 遺伝子解析研究 / 次世代シークエンサー / CFAP47 / ADPKD |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は独自に構築した次世代シーケンサー(NGS)による網羅的腎臓病遺伝子パネル検査にて、様々なCKDの遺伝子背景を明らかにすべく研究活動を続けている。UMODはADTKD(Autosomal Dominant Tubulointerstitial Kidney Disease)などの希少腎疾患原因遺伝子でありながら、common diseaseにも関与する極めて重要かつ影響力の強い遺伝子である。これまで生体内でのUMOD尿細管分泌刺激は不明であったが、我々はUMODの既知の生理機能から尿濃縮との関連性に着目し、AVP(Arginine vasopressin)がcAMP, PKA活性化を介してUMODの尿中分泌を制御する重要な生理的因子であることを発見しHypertension誌に報告した(Nanamatsu A, Mori T, et al. Hypertension, 2021)。 並行して、家族歴を有さない多発腎嚢胞(PKD)患者のうち、先行するパネル遺伝子検査にて責任遺伝子が同定されなかった47名について米国ワシントン大学との共同研究のもとその全員に全ゲノムシークエンス(WGS)を実施し、3名に共通してcilia関連遺伝子であるCFAP47に病的バリアントが存在することを見出した。免疫染色にてCFAP47はヒト腎臓尿細管ciliaに発現することを確認し、Fudan大学Prof. Feng Zhangらとの共同研究で、CFAP47のノックアウトマウス腎臓を検証した結果、尿細管上皮細胞の空胞化とと尿細管腔の拡張を認め、全く新しい嚢胞責任遺伝子であると考えられた。さらにCFAP47は嚢胞性腎疾患の原因としては希少なX連鎖遺伝形式であり、臨床的意義も高いと期待される。成果について2023年米国腎臓学会で報告し、またプレプリントサーバーに先行掲載した上で、現在論文査読中である。
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Remarks |
2023年2月1日から3月末日まで2カ月間、「腎臓病の遺伝子解析から、病気と遺伝子のかかわりを探り続けるために」というタイトルで、Readyfor社のサポートのもと腎臓病遺伝子解析に関わる運用資金獲得のためのクラウドファンディングを実施。総勢395名のご支援、総額1950万円に及ぶご寄付をいただいた。
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[Presentation] Discovery of a Novel Candidate Gene Implicated in X-Linked Polycystic Kidney Disease.2023
Author(s)
Takayasu Mori, Takuya Fujimaru, Chunyu Liu, Karynne Patterson, Kohei Yamamoto, Takefumi Suzuki, Motoko Chiga, Shintaro Mandai, Fumiaki Ando, Yutaro Mori, Koichiro Susa, Yue-Qiu Tan, Feng Zhang, Shinichi Uchida, Eisei Sohara.
Organizer
Kidney Week 2023
Int'l Joint Research
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[Presentation] Monoallelic IFT140 Pathogenic Variants in Adult Polycystic Kidney Disease Patients Without Family History.2023
Author(s)
Takuya Fujimaru, Takayasu Mori, Motoko Chiga, Shintaro Mandai, Yu Hara, Tamami Fujiki, Hiroaki Kikuchi, Yutaro Mori, Fumiaki Ando, Koichiro Susa, Soichiro Iimori, Shotaro Naito, Shinichi Uchida, Eisei Sohara.
Organizer
ASN Kidney Week 2023
Int'l Joint Research
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[Presentation] 生体腎移植後に進行性の腎機能障害を認め、原発性高シュウ酸尿症が明らかとなった1 例.2023
Author(s)
森剛, 添野真嗣, 有吉勇一, 岡大祐, 小林肇, 久保隆史, 安藤哲郎, 渕之上昌平, 森崇寧, 蘇原映誠, 内田信一.
Organizer
移植学会
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[Presentation] IFT140 のヘテロ接合性変異は家族歴のない成人多発性腎嚢胞の一因である.2023
Author(s)
藤丸拓也, 森崇寧, 蘇原映誠, 千賀宗子, 萬代新太郎, 藤木珠美, 森雄太郎, 安藤史顕, 須佐紘一郎, 飯盛 聡一郎, 内藤省太郎, 内田信一.
Organizer
第66 回日本腎臓学会学術総会
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[Presentation] 成人期 に末期腎不全に至った患者の遺伝的背景の検討.2023
Author(s)
藤丸拓也, 蘇原映誠, 森崇寧, 千賀宗子, 萬代新太郎, 中野雄太, 森雄太郎, 安藤史顕, 須佐紘一郎, 東海 林隆男, 福留裕一郎, 稲葉直人, 北村健一郎, 中西太一, 木村寿宏, 田村禎一, 小澤潔, 内田信一.
Organizer
第66 回日本腎臓学会学術総会
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