2021 Fiscal Year Research-status Report
Mechanism of progression in diabetic kidney disease by a novel bacterial-derived apoptosis-inducing peptide
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21K08256
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
矢野 裕 三重大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (10263021)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
Gabazza Esteban 三重大学, 医学系研究科, 教授 (00293770)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 糖尿病 / 糖尿病性腎臓病 / アポトーシス / 細菌 / 線維化 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は、ブドウ球菌属に属する細菌Staphylococcus nepalensisを同定し、菌の培養上清中から19アミノ酸残基で構成されるアポトーシス誘導ペプチドCorisinを発見し、線維化の進展および急性増悪を引き起こすことを示した(Nat Commun. 2020 24;11(1):1539.)。更にCorisinに対するモノクローナル抗体により、Corisinの作用が阻害され、肺における線維症の進行および急性増悪を抑制することが示され、線維化の進展においてCorisinが重要な因子であり、治療ターゲットとして有用である可能性が示された(Nat Commun. 2022 23;13(1):1558.)。 腎において、既報により腸内細菌叢の変化が生体内代謝に影響を与えることで間接的にCKDに影響を与える可能性が示唆されている。Corisinと腎線維化との関係は不明であるが、我々は腎臓の細胞のアポトーシスと線維化が極めて密接に関係していることを解明してきた(Kidney Int.2020 98(5):1179-1192)。従ってアポトーシスを誘導するCorisinが腎臓の線維化の病態に関与する可能性を考え、検討をすすめ、Corisinが腎由来のポドサイト・尿細管上皮系培養細胞のアポトーシスを惹起することを発見し、現在更に検討を行っている。また我々が開発した腎線維化の進行とともに経時的に腎機能が悪化する腎特異的TGFβ過剰発現マウスを (Kidney Int.2020 98(5):1179-1192.)を用いて、Corisinと腎線維化の関係を解析中である。また、抗アポトーシス作用を有するトロンボモジュリンについて、糖尿病に対しての多角的な作用を報告し(Cells,2021 10(9):2237)、糖尿病性腎臓病への応用を今後検討していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
我々が開発したCorisinに対するモノクローナル抗体により肺における線維化の抑制が認められ、腎の線維化とCorisinとの関係を解析するのに今後実験に応用でき、Corisinの作用がより明らかになる。モデル動物としてストレプトゾトシンによる糖尿病モデルを用いて、糖尿病性腎臓病の病態とCorisinとの関係についての実験も現在進行中である。また、我々が作成した腎線維化の進行する腎特異的TGFβ過剰発現マウスを用いての検討も行っており、Corisinと腎線維化の関係が明らかになりつつある。また、Corisinが腎由来のポドサイト系培養細胞、尿細管上皮細胞系の培養細胞において、アポトーシスを惹起することが明らかになったので、本細胞におけるアポトーシス誘導の詳細な機序を検討中である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は細胞レベルでにおけるCorisinによるアポトーシスのメカニズムに関する詳細な解析と、線維化との関係を解析していく。また、各モデルマウスを用いた腎線維化とCorisinとの関係を解析し、疾患との関係を明らかにする。更に糖尿病との関連において、培養細胞を用いて、Corisinのアポトーシス誘導作用とブドウ糖濃度の関係や、糖尿病モデルマウスを用いての検討を行い、糖尿病性腎臓病とアポトーシス、線維化に至る機序とCorisinとの関連、Staphylococcus nepalensisを含めた細菌叢との関係を解析し、更に抗アポトーシス作用を有する蛋白などを用いての抑制効果を検討する。更に糖尿病患者さんの検体を用いて、腎障害のマーカーや血糖の指標との関連を検討していく。
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article] Inhibition of lung microbiota-derived proapoptotic peptides ameliorates acute exacerbation of pulmonary fibrosis.2022
Author(s)
D'Alessandro-Gabazza CN, Yasuma T, Kobayashi T, Toda M, Abdel-Hamid AM, Fujimoto H, Hataji O, Nakahara H, Takeshita A, Nishihama K, Okano T, Saiki H, Okano Y, Tomaru A, Fridman D'Alessandro V, Shiraishi M, Mizoguchi A, Ono R, Ohtsuka J, Fukumura M, Nosaka T,Yano Y, Mackie RI, Cann I, Gabazza EC, et al
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Journal Title
Nature Communications
Volume: 13
Pages: 1~27
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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[Journal Article] Protective Role of Recombinant Human Thrombomodulin in Diabetes Mellitus.2021
Author(s)
Okano Y, Takeshita A, Yasuma T, Toda M, Nishihama K, Fridman D'Alessandro V, Inoue C, D'Alessandro-Gabazza CN, Kobayashi T, Yano Y, Gabazza EC.
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Journal Title
Cells
Volume: 10
Pages: 1~13
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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