2023 Fiscal Year Research-status Report
Onconephrology focusing on tubules
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21K08258
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
濱野 高行 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (50403077)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村島 美穂 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 助教 (40771837)
安部 賀央里 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(薬学), 講師 (70440625)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 低マグネシウム血症 / セタキシマブ / ボルテゾミブ / 免疫チェックポイント阻害剤 / 低ナトリウム血症 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年より引き続き行っている悪性腫瘍治療中の電解質異常に関する後ろ向きコホート研究を継続している。悪性腫瘍治療中の低ナトリウム血症に関して、これまでから知られていたプラチナ系、ビンカアルカロイドに加えてボルテゾミブ、免疫チェックポイント阻害剤が低ナトリウム血症と関連することをmixed effects logistic regression及び機械学習の手法を用いて見いだし、論文化した。さらに、ボルテゾミブ、免疫チェックポイント阻害剤と低ナトリウム血症の関連を修飾する介入可能な因子を検討しており、レニン・アンギオテンシン・アルドステロン系阻害剤を投与している患者ではボルテゾミブ投与で特に低ナトリウム 血症が多いこと、プロトンポンプ阻害剤を投与している患者では、免疫チェックポイント阻害剤投与で特に低ナトリウム血症が多いことを学会発表で報告している。 また、低マグネシウム血症についても検討を進めており、セタキシマブと低マグネシウム血症が関連していることを見いだした。活性型ビタミンDの併用患者では、セタキシマブと低マグネシウム血症の関連が弱いことから活性型ビタミンD投与でセタキシマブによる低マグネシウム血症の発症を予防できる可能性があるのではないかと考えている。この結果は2024年度に学会発表予定である。 また、シスプラチンによる急性腎障害の予測モデルを機械学習の手法を用いて検討しており、利尿剤、シスプラチンの投与量が急性腎障害の発症と関連していること、マグネシウム製剤を投与すると急性腎障害の発症が少ないことを学会発表で報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
癌患者の電解質異常と化学療法中のAKI予測モデルの構築に関しては順調に進展している。一方で化学療法中の電解質異常の原因とQOLとの関連に関する研究は、症例数がまだ少なく、今後も症例を集積していく。
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Strategy for Future Research Activity |
化学療法中の電解質異常の原因とQOLとの関連に関する研究については、さらなる症例数を集積するために、他大学病院腎臓内科と共同研究を進めていく方針である。
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Causes of Carryover |
化学療法中の電解質異常の原因とQOLとの関連に関する研究については、さらなる症例数を集積するために時間をさらに要し、その増えた症例数での研究で必要であるため。
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