2023 Fiscal Year Annual Research Report
アフリカツメガエルの強みを活かして、腎ネフロンセグメント化の仕組みを理解する
Project/Area Number |
21K08262
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
堅田 智久 杏林大学, 医学部, 助教 (10527229)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ネフロン / セグメント / アフリカツメガエル / 腎臓 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、腎ネフロンにおけるセグメント形成のしくみを明らかにするために、解析に適したアフリカツメガエルを用いて、セグメント化に必要な遺伝子を同定することを目的として研究を行ってきた。はじめに、セグメント形成過程にある細胞を得るために、発生中の胚から直接前腎領域を切除する方法と、アクチビンとレチノイン酸を用いて前腎誘導したアニマルキャップを用いる方法を比較検討した。その結果、アニマルキャップを用いる方法が本研究の目的を達成するためには適していることが分かった。次に、腎誘導したアニマルキャップ細胞における既知の尿細管セグメントマーカー(近位尿細管、中間部尿細管、遠位尿細管)の発現時期を明らかにするために、リアルタイムPCR法を用いて解析した。これにより、前腎誘導したアニマルキャップ細胞は、受精から5時間、22.5時間、31.25時間、40時間、53.5時間経過したものを解析対象とし、これらの細胞をRNAソースとして発現遺伝子の比較解析を行うと、意図する遺伝子が単離できる可能性が高いことが判明した。 発現遺伝子の解析にはRNAシークエンスを行った。アフリカツメガエルのデータベースであるXenbaseをもとに、19680遺伝子を対象として、転写因子および成長因子を候補因子の中心とした。各サンプル間の発現比較からいずれかの時期で発現が最大となるもの、発現領域が前腎に限定されており中間部および遠位に発現が局在するものをピックアップし、最終的に12種類の遺伝子を選定することができた。
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