2022 Fiscal Year Research-status Report
molecular genetic analyses of a family with hereditary hypo Mg, hypo K ,and hypertension
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21K08277
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
貝森 淳哉 大阪大学, 大学院医学系研究科, 寄附講座准教授 (70527697)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
猪阪 善隆 大阪大学, 大学院医学系研究科, 教授 (00379166)
坂口 悠介 大阪大学, 大学院医学系研究科, 寄附講座助教 (80756817)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 高血圧症 / 低カリウム血症 / 低マグネシウム血症 / ankyrin-3 / Enac / Kv1.1 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者らは、電解質異常をもつ高血圧患者家系の遺伝子解析を行い、ANK3 p.E865K変異を見出した。HEK293細胞に野生型ANK3と本症例の変異ANK3を遺伝子導入した。野生型に比し、変異型Ankyrin-3の発現量は顕著に増加していた。Ankyrin-3の半減期をcycloheximide chase assayで評価したところ、野生型に比して変異型Ankyrin-3の半減期は延長していた。したがって変異型Ankyrin-3の発現増加は分解の抑制によるものと考えられた。 Ankyrin-3のアミノ酸配列にはユビキチンE3リガーゼCDC20の認識部位であるD-box、KEN-boxが含まれる。したがって、Ankyrin-3の細胞内分解はCDC20によるユビキチン化が関与していることが予想された。実際にCDC20 shRNAによるCDC20のノックダウンはAnkyrin-3発現を増加させた。また、野生型Ankyrin-3に比し、変異型Ankyrin-3はCDC20との結合が減少するとともに、ユビキチン化や蛋白分解産物の減少が免疫沈降法で確認された。また、本変異を持つknock-in mouseを作成したところ、尿細管DCT1部位にankyrin-3蛋白の発現増強が認められ、Enac alpha, beta,gammaの発現も増強が認められた。また、血清KおよびMgの濃度低下を認め、塩分普通食の条件下でも、WT mouseに比べて有意な血圧上昇を認めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
患者と同じ変異をもつ、knock-in mouseを解析して、患者と同じ種類の蛋白発現上昇を認め、塩分を負荷していない普通食摂取下でWTに比べて、有意な血圧上昇が認められた。mouseの血圧測定実験において、塩分を負荷していない普通食摂取下で遺伝子改変マウスの血圧に差が出ることは極めてまれであり、ヒトでの本遺伝子変異がもつ重要性を示していると思われた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、培養細胞を用いてKv1.1のチャネル電流を測定し、実際に本変異をもつankyrin-3分子とKv1.1が共発現下で、チャネル電流がさらに抑制されるかを検証する。また、患者家族をさらに詳細に調べて、症状のある患者の掘り起こしを行いたい。
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