2021 Fiscal Year Research-status Report
Role of macrophages in cerebrospinal fluid in the central mechanism of obesity-related hypertension
Project/Area Number |
21K08281
|
Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
山里 正演 琉球大学, 病院, 講師 (90347138)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 肥満 / 高血圧 / 高脂肪食 / 食塩感受性高血圧 |
Outline of Annual Research Achievements |
沖縄県は肥満を伴う高血圧者が多い。肥満者では交感神経活動の亢進と炎症を伴う。交感神経活動の亢進に関連する因子の一つとして脳内炎症があるが、未だ何に起因するのか詳細は分かっていない。今回Dahl Iwai食塩感受性ラットに高脂肪食負荷を行い、肥満ラットを作成し、肥満高血圧ラットの脳内炎症および肥満に伴う臓器障害の評価を試みた。
高脂肪食負荷としては脂肪由来のカロリーが約60%のHigh Fat Diet 32(日本クレア)を用いた。コントロール群は通常飼育時に使用しているCE-2(日本クレア)を食事として与えた。動物はDahl Iwai 食塩感受性ラット(日本エスエルシー株式会社)を用いた。高脂肪食負荷はラットの週齢が6週齢から開始し、30週齢までの24週間行った。飼育中にTail cuff 法で血圧を測定した。また、代謝ゲージを使用して蓄尿による尿検査評価を行った。高脂肪食負荷を行ったラットは通常食飼育のラットに比べ有意な体重増加を認めた。しかしながら、収縮期血圧は有意な差は認めず、尿蛋白量はコントロール群のほうが多かった。30週齢で血液検体採取後に灌流固定を行い、脳、腎臓の採取を行った。
今回の予備実験を通して経時的血圧変化および蛋白尿の変化のモニタ方法、およびラットのハンドリング手技を確認した。また、脳組織では前脳部および延髄の切片を作成し、脳内交感神経調節領域の視床下部室傍核や吻側延髄腹外側野を同定し、脳の切片作成時のオリエンテーションを確認した。今後は残切片を用いて炎症細胞やミクログリアの免疫染色のコンディショニングを行う予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
予備実験段階で肥満高血圧モデル動物作成がうまくいかなかったため。
|
Strategy for Future Research Activity |
高脂肪食では血圧の上昇は認められなかった.そのため別の方法での検討が必要と考える. 沖縄県における肥満,メタボリックな状態を誘発する食事因子の一つとして,フルクトースの影響が考慮される.また、一般的に塩分摂取過多も血圧上昇に関連している。今後,フルクトース負荷(±食塩負荷)を行い、血圧,生化学的,組織学的評価を行う. ・動物:Dahl Iwai S(日本エスエルシー株式会社)・フルクトース負荷群:CE-2;(日本クレア)で飼育,飲料水は20%フルクトース水(重量比でフルクトース20%の水)とする.・コントロール群は通常の水で飼育する.コントロール①群はCE-2;(日本クレア)で,コントロール②群は2%NaCl含有のCE-2;(日本クレア)で飼育する.・負荷期間:3か月前後で検討する.・飼育中にTail cuff での血圧評価,蓄尿での生化学的評価,また最終的に組織学的評価を行い,肥満,メタボリックと高血圧との関連について検討する.・フルクトース負荷のみで有意な血圧上昇を観察できない場合は追加で食塩負荷(2%食塩食)を行い、血圧上昇の程度に差がでるかを確認する。
|
Causes of Carryover |
予備実験段階で肥満高血圧モデル動物作成がうまくいかず、肥満高血圧モデル動物の作成方法の検討に時間を要したため。 昨年度(2021)予定していた予算の使用を本年度に繰り越して使用予定。
|