2023 Fiscal Year Annual Research Report
IgA腎症において粘膜免疫応答異常から全身展開する糖鎖異常IgA1産生機序の解明
Project/Area Number |
21K08284
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
佐藤 大介 順天堂大学, 医学部, 非常勤講師 (50621942)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 仁 順天堂大学, 医学部, 教授 (10468572)
鈴木 祐介 順天堂大学, 大学院医学研究科, 教授 (70372935)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | IgA腎症 / BAFF / APRIL |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、IgA腎症における骨髄や全身のリンパ組織に展開している粘膜型責任細胞の生存・糖鎖異常IgA1産生の機序を解明するため、IgA腎症自然発症モデルであるgddYマウスを用いて骨髄や脾臓、全身リンパ組織における粘膜型責任細胞のBAFF/APRIL発現の有無、BAFF/APRILによる細胞自体の生存維持や糖鎖異常IgA1産生への誘導を証明することを目的とした。当研究室で樹立されたIgA腎症自然発症モデルであるgddYマウスや、マウスの骨髄移植によるIgA腎症再構成、APRIL発現細胞の同定などの技術を駆使することで、IgA腎症におけるB細胞分化誘導因子の機能解析を目指した。 2021年度は、J鎖mRNA陽性粘膜型IgA陽性形質細胞(IgA+PC)をgddYマウスの骨髄・脾臓・リンパ節から選択的に抽出する手法の確立を目標に、標識したJ鎖mRNA陽性IgA+PCをフローサイトメトリー法によって選択的に抽出することを試みたものの抽出が困難であった。2022年度は、J鎖mRNA陽性IgA+PCが豊富に存在するヒト扁桃組織を用いての抽出を試みた。扁桃組織では解析に必要十分な細胞数の抽出が可能であったことから、骨髄組織や脾臓でのそもそもの粘膜型IgA産生形質細胞の数が少ない可能性が考えられた。2023年度も引き続き細胞の回収効率を改善させるための条件検討を繰り返したものの、十分量の細胞の回収には至らなかった。また、in situ ハイブリダイゼーション法や、抗BAFF抗体/抗APRIL抗体等を用いた多重染色によってJ鎖陽性IgA+PCの各組織における特徴を解析することも試みたが、こちらも染色条件が確立できなかった。研究全体を通じて、ヒト扁桃組織からはIgA陽性PCの抽出には成功したものの、マウスの各組織からのIgA陽性PC抽出は困難であった。
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