2021 Fiscal Year Research-status Report
Final step for clinical application by iPS cell-derived regenerated kidney
Project/Area Number |
21K08288
|
Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
横尾 隆 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (70301538)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | iPS細胞 / 腎臓再生 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々はこれまで腎臓前駆細胞を発生中の胎仔内臓器発生ニッチに置くことで、機能を持った臓器まで成熟させることを証明してきた。この「胎生臓器ニッチ法」によりiPS細胞から尿生成能を獲得した腎臓を再生することに成功し、大型動物での検証段階に入っている。現在げっ歯類での検証実験で用いていたジフテリア毒素誘導ネフロン前駆細胞(NPC)置換システムをヒト対応型に変換している。具体的には腎臓発生ニッチ内の既存の異種NPCを患者由来NPCに置換するシステムとして、マウスの実験ではジフテリア毒素作動型にしていたが、ヒトにはジフテリア毒素受容体がユビキタスに発現しているためヒト臨床を考えた場合、同システムを流用することができない。そこで既に乳がんなどでホルモン療法剤として保険収載されているタモキシフェン(商品名ノルバデックス)作動型に変換する。既にヒト投与に対する安全性は検証されている薬剤であるが、抗エストロゲン作用を持つため腎臓再生の目的では、極力低用量で発現制御をするシステムとする必要がある。そこでまずloxP組み換え効率を高めるシステムの導入を行った。本年度はまず同システムを搭載したマウスの作成を行った。ERT2iCreERT2導入によりlox組換え効率をあげるシステムには、NPCをマーキングして可視化するためtdTomatoを挿入したマウス(JKJY02H15202_tdTomato-ERT2-iCre-ERT2-KIマウス)を作成した。一方FLExシステム導入でDTAリークによる胎生致死を防ぎ算出効率を上げるシステム搭載マウス(JKJY01CR15201_ROSA26-FLEx-KIマウス)はのコンストラクトを用いて作成した。2021年に作成した2種のマウスを交配することにより第二世代NPC置換システム搭載胎仔を作出した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度予定していた2週類のTGマウスの作出を完了した。
|
Strategy for Future Research Activity |
次年度は、上記2種のマウスを交配することにより第二世代NPC置換システム搭載胎仔を作出し、第一世代マウス胎仔と発育速度及び胎仔数について比較検討する。さらにさらに後腎を摘出しマウス脊椎共培養系を用いて、タモキシフェンによるNPC置換の効率と使用するタモキシフェン量が少量で完成できているかを第一世代と比較検討する。またin vivo検証としてソーティング後のiPS細胞由来NPCを注入後NOGマウスに移植し、タモキシフェンを経口投与して生体内で効率よく置換が起こることを検証する。
|