2021 Fiscal Year Research-status Report
A novel quantitative assessment of overhydration adjusted a change in the fluid balance with aging in patients undergoing maintenance hemodialysis
Project/Area Number |
21K08289
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
大橋 靖 東邦大学, 医学部, 教授 (00408858)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒井 謙 東邦大学, 医学部, 教授 (10215585)
常喜 信彦 東邦大学, 医学部, 教授 (40349882)
山田 陽介 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 国立健康・栄養研究所 身体活動研究部, 特別研究員 (60550118)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 体液過剰 / バイオインピーダンス分析 / Na利尿ペプチド / サルコペニア / 細胞内外水分量比 / Quality of Life |
Outline of Annual Research Achievements |
慢性維持透析4施設から研究同意を得た透析後の体組成検査を行った18歳以上の透析導入後3ヶ月以上経過した血液透析患者428名から除外基準に照らし合わせ41名の患者を除き,計387名(年齢65±12歳,男性278名女性109名,糖尿病181名)のサンプルデータを取得し,そのうち336名からKDQOL-SFのアンケート調査結果を得た。 過水和 (OH) は体組成検査から得られた実測値と年齢別標準細胞内外水分量比から求めた値であり,その過水和 (OH) の中央値(10-90% percentile)は0.34L per 1.73m2 (-0.42 to 1.29L per 1.73m2 )であった。過水和 (OH) と透析後hANPとの相関はγ = 0.50の比較的高い相関を認め,回帰式より透析後hANP 100 pg/mlと43 pg/mlの時の過水和 (OH) は,それぞれ0.57 × A/1.73 Lと0.13 × A/1.73 Lと算出された。 過水和 (OH) を4分位で4群別化(Q1:<-0.10L, Q2:-0.09‐0.33L, Q3:-0.34‐0.78L, Q4:0.79‐3.22L)し,臨床データとの関係を解析した。高い過水和 (OH) 群は低い群に比し,高齢,透析歴が長く,BMI,総除水量が低値で,透析後血圧が高値で,TP,Alb,BUN,Cr,Hbが低い傾向にあった(P<0.05)。心エコーでは左房径が大きく,左室心筋重量係数が高い傾向にあった(P<0.05)。また,Q4群は全方向性に健康関連QOLが低い傾向を示した。 これらの結果は,本方法による透析適正体重(ドライウェイト)の定量的評価の妥当性を示している。さらにこのような体液平衡異常は心容量負荷に対する予備力を低下させ,体液平衡の安全域を狭め,患者のQOLを大きく低下させていると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍において患者サンプル集積に苦慮したが,対象患者を387名まで得ることができた。当初,他の医療機関への協力も予定していたが,いくつかの施設で患者サンプル集積が困難になった。また、活動量計による患者活動度の評価に関する患者サンプル集積には遅れが見られている。しかし,本研究の主目的である「目的1-1) 過水和(OH)と心容量負荷の相関性を検証」と「目的1-2) 推定透析適正体重(ドライウェイト)の臨床的妥当性を検証」には十分なサンプル数であると考える。現在,前述のごとく,集積されたデータでこれらの課題を検証中であり,研究はおおむね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の主目的である「目的1-1) 過水和(OH)と心容量負荷の相関性を検証」と「目的1-2) 推定透析適正体重(ドライウェイト)の臨床的妥当性を検証」には十分なサンプル数であると考える。現在,今回集積されたデータでこれらの課題を検証中である。目的1-2)に含まれている過水和 (OH) と臨床的指標を用いたドライウェイトスコアリング評価の比較は,より精度の高い研究にするため,「慢性維持透析患者における体液平衡異常に伴う8つの臨床兆候に基づいたドライウェイトスコアリングシステムの開発のためのプロジェクト」を準備している。その中で改めて目的2-1) に関連する患者QOLおよび目的2-2)に関連するADLの評価を予定している。 「目的2-3) 過水和(OH)と有害転帰との関係を調査」は現在対象患者を前向きに追跡している。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は,コロナ禍により患者サンプルの集積に時間を要したことで,学会発表などの出張費が抑えられたこと,簡便に行う予定であった臨床的指標を用いたドライウェイトスコアリング評価と体組成結果との比較をより精度の高い研究とするため,そのデータベース作成のためのPC購入を次年度以降に持ち越したことが挙げられる。 これに関し,本研究の主目的である「目的1-1) 過水和(OH)と心容量負荷の相関性を検証」と「目的1-2) 推定透析適正体重(ドライウェイト)の臨床的妥当性を検証」を解析し,次年度に学会報告および論文作成を計画している。この学会報告および論文作成に経費を充当させる。また,目的1-2)に含まれている過水和 (OH) と臨床的指標を用いたドライウェイトスコアリング評価の比較は、より精度の高い研究にするため,「慢性維持透析患者における体液平衡異常に伴う8つの臨床兆候に基づいたドライウェイトスコアリングシステムの開発のためのプロジェクト」を準備している。上記解析とこのプロジェクトのため専用のPCの購入を予定している。
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