2021 Fiscal Year Research-status Report
Proteases in itch accompanied by bullous pemphigoid
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21K08305
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
廣保 翔 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 後期臨床研究医 (10571284)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣保 葵 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 研究員 (20899603)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 類天疱瘡 / プロテアーゼ / 痒み / グランザイム |
Outline of Annual Research Achievements |
類天疱瘡の痒みは既存の治療に抵抗性を示し臨床上の問題となる。その痒みにはヒスタミン以外の起痒物質の関与が示唆されるが、具体的な分子はまだ特定されていない。その起痒物質の同定のため、申請者らは、類天疱瘡において増加しているプロテアーゼがPAR-2活性化を介して痒みを引き起こすと仮説を立て、研究を開始した。2021年度は、プロテアーゼの中でも特にグランザイムKを標的に研究を進めた。 2021年度はまずC57Bl/6マウスから後根神経節細胞を摘出する手技を確立した。その後、摘出した培養後根神経節細胞にFluo-8 AMを取り込ませ、様々なプロテアーゼなどで刺激し、その細胞内のCa2+流入をライブセルイメージングの手法で観察した。その結果、PAR-2 agonistであるSLIGRLやグランザイムKで刺激した約10分後にFluo-8の蛍光強度の上昇を認めた。しかし、現状の実験系ではSLIGRLやグランザイムKなどのstimulantsが培地中に残るため、Ca2+流入後30分以内には細胞中のCa2+濃度が低下しなかった。今後、阻害薬実験を行うためにはCa2+流入後に再度細胞中のCa2+濃度を低下させる必要があり、次年度以降にさらに実験系を改良する予定である。 また、患者試料中のグランザイムKの局在を確認するため、アトピー性皮膚炎、尋常性乾癬、水疱性類天疱瘡患者の皮疹部のグランザイムKの免疫組織化学を行った。それぞれの疾患で真皮上層にグランザイムK陽性細胞の浸潤を認め、それらの疾患において真皮上層のグランザイムK陽性細胞が細胞外にグランザイムKを放出させている可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画では2021年度中にマウス実験を開始する予定であったが、培養後根神経節細胞の実験系確立に時間を要したため、マウス実験を開始出来なかった。その代わりに、2022年度以降に行う予定であった患者試料中のプロテアーゼのタンパク量と活性測定を一部開始した。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は、後根神経節細胞のCa2+流入評価の実験系を上記で述べるように改良した後に、グランザイムKのみでなく、他の様々なプロテアーゼで細胞内Ca2+流入が起きるかどうかを評価する。また、2021年度中に開始できなかったマウス実験を開始する。マウス実験のための動物実験の計画書はすでに2021年度中に提出し、承認を受けている。
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Causes of Carryover |
2021年度に行う予定であったマウス実験が行えなかったため、次年度使用額が生じた。2022年度にからマウス実験を開始する予定であり、次年度使用額は2022年度に使用する予定である。
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Research Products
(4 results)