2022 Fiscal Year Research-status Report
脂質代謝を基盤とした皮膚バリア形成の分子機序の解明
Project/Area Number |
21K08315
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Medical Science |
Principal Investigator |
平林 哲也 公益財団法人東京都医学総合研究所, 基礎医科学研究分野, 主席研究員 (90345025)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | アシルセラミド / 皮膚バリア / 魚鱗癬 / ケラチノサイト / 炎症 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度はアシルセラミド代謝に関わる酵素群やトランスポーターを欠損する先天性魚鱗癬モデルマウスの表現型解析、遺伝子解析、脂質分析などにより、主に以下のような研究の進展があった。 1) Pnpla1欠損マウスの新生児では皮膚の水分透過性バリア障害が生じているが、表皮を透過型電子顕微鏡により解析すると、このマウスではコルネオデスモソームの分解が低下して角層の著しい肥厚が生じていた。コルネオデスモソームの分解制御に関わるプロテアーゼや機能性タンパク質群の発現変動を網羅的に解析することで、角層肥厚の原因となりうる候補を絞り込んだ。 2) アシルセラミド代謝経路に異常を持つ先天性魚鱗癬モデルマウスは、a)角質細胞間脂質ラメラ層は形成されるがCLEの形成異常がみられるタイプ、b)ラメラ層に異常があるがCLEは形成されるタイプ、c)両者のどちらにも形成異常があるタイプ、の3群に分類することができ、それぞれの群に属する系統の新生児表皮を用いて、脂質分析と遺伝子発現解析を行い、各群内で共通する特徴の抽出を行った。 3) 炎症が惹起される先天性魚鱗癬モデルマウス系統の新生児表皮から抽出した脂質を分析し、これらの系統でのみ蓄積する脂質成分候補を見出した。 4) 炎症が惹起される系統でのみ発現量が上昇するサイトカイン、ケモカイン、免疫関連遺伝子群、炎症性マーカー遺伝子等を網羅的に検索し、免疫細胞系においてどのような応答反応が生じているのかを考察した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
遺伝子改変マウスの導入が順調に進み、予定していた表現型解析、脂質分析、遺伝子解析も着実に進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は以下の点に特に重点的に取り組む。 (1) 角層バリア機能に不可欠な結合型セラミドの形成過程で生じるエポキシエノン体と結合する因子の探索 (2) LIPN相同分子9種類を全て欠損する遺伝子改変マウスの作製と表現型分析 (3) アシルセラミド合成酵素であるPNPLA1と相互作用する分子の探索 (4) 時期特異的に皮膚バリア機能低下モデルマウスにおける炎症応答の解析
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Causes of Carryover |
前倒し請求を行ったが、一部試薬の納期が遅れ、次年度の支払となったため。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Hepatic phosphatidylcholine catabolism driven by PNPLA7 and PNPLA8 supplies endogenous choline to replenish the methionine cycle with methyl groups2023
Author(s)
Hirabayashi T, Kawaguchi M, Harada S, Mouri M, Takamiya R, Miki Y, Sato H, Taketomi Y, Yokoyama K, Kobayashi T, Tokuoka SM, Kita Y, Yoda E, Hara S, Mikami K, Nishito Y, Kikuchi N, Nakata R, Kaneko M, Kiyonari H, Kasahara K, Aiba T, Ikeda K, Soga T, Kurano M, Yatomi Y, Murakami M
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Journal Title
Cell Rep
Volume: 42
Pages: 111940
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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