2021 Fiscal Year Research-status Report
遺伝性ポルフィリン症におけるヘム生合成に関する新規代謝経路の解明
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21K08317
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
中野 創 弘前大学, 医学研究科, 准教授 (90281922)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤坂 英二郎 弘前大学, 医学部附属病院, 助教 (30436034)
松崎 康司 弘前大学, 医学部附属病院, 講師 (50322946)
澤村 大輔 弘前大学, 医学研究科, 教授 (60196334)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ポルフィリン症 / 遺伝性コプロポルフィリン症 / コプロポルフィリノーゲン酸化酵素 / ヘム生合成系 |
Outline of Annual Research Achievements |
最近、我々は遺伝性コプロポルフィリン症の1症例においてCPOX遺伝子変異解析を行い、転写開始点に変異を有するホモ接合体であることを明らかにした。遺伝子変異導入ベクターを用いた実験で、変異CPOXタンパクはミトコンドリアに移動できないことが判明した。CPOXは細胞質からミトコンドリアに移動して初めて酵素活性が発揮されるとされてきたため、従来知られるヘム生合成経路以外の副経路の存在が示唆された。そこでヒト由来培養細胞を用い、実際の患者と同じ変異を有する遺伝子改変細胞を作成し、新規のヘム生合成経路の有無を解析する。さらに、遺伝子改変モデルマウスを作成し、ヘム代謝経路や病的表現型の解析を行う。我々が解析した遺伝性コプロポルフィリン症(HCP)ではCPOX遺伝子のホモの変異のため、わずかに短いCPOXタンパクが作られるが、これはミトコンドリアに移動できないことが変異タンパク発現実験で明らかになった。これまでCPOXはミトコンドリアに移動しないと酵素活性を発揮できないとされてきたが、我々の症例は軽症例であり、ヘム生合成系はある程度維持されている。従って、従来知られてきたヘム生合成系の代謝経路以外の副経路の存在が強く示唆されるため、本研究でこの問題を明らかにする。ヒト肝癌由来HepG2細胞を用い、リコンビナント変異CPOXタンパクの活性測定を行ったところ、正常CPOXタンパクと同程度の活性を有することが分かった。ヒト由来培養細胞HeLaを用いたCRISPER/Cas9システムを用い、TIC1変異導入細胞の構築を試みているが、まだ完成していない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
HeLa細胞を用いたCPOX遺伝子の点突然変異を有するゲノム編集細胞の作製が困難であるため。
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Strategy for Future Research Activity |
ゲノム編集技術に精通した研究者との意見交換や、研究受託会社への、一部受託などを考慮している。
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Research Products
(4 results)