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2021 Fiscal Year Research-status Report

Elucidation of the cause of phenotypic differences in tuberous sclerosis complex using model mice

Research Project

Project/Area Number 21K08322
Research InstitutionOsaka University

Principal Investigator

小池・熊谷 牧子  大阪大学, 医学系研究科, 寄附講座助教 (30391949)

Project Period (FY) 2021-04-01 – 2024-03-31
Keywords結節性硬化症 / TSCモデルマウス / mTOR / ミクログリア / 行動解析 / ラパマイシン
Outline of Annual Research Achievements

結節性硬化症(TSC)は、皮膚と神経系を中心に異常が現れる遺伝性疾患である。てんかん発作や発達障害の罹患率が高く、 患者のQOLに影響を与えることが問題となっている。TSCでは、Tsc1/Tsc2遺伝子の機能低下によるmTORキナーゼの過剰な活性化が原因と考えられており、mTOR阻害剤の有効性は、臨床的にも認知されつつあるが、いまだ病態形成の機序が十分に解明されているとはいいがたい。そこで、本研究では、mTOR阻害剤シロリムス(ラパマイシン)と、てんかん発作を起こすTSCモデルマウス(Mitf-Cre, Tsc2(KO /KO)を用いて病態形成の機序について解析した。 ①TSCモデルマウス(6週齢)の発作の測定及び行動解析(不安傾向、多動性、自閉症、記憶)を行った。その結果、Tscモデルマウスでは、生後6週齢以降に自発性のてんかんが出始め、8週齢前後で発作が原因で死亡に至った。また、TSCモデルマウスでは自閉症、不安、多動性を示し、記憶においても異常を示した。てんかん、不安症状、多動性、記憶の異常は、mTOR阻害剤シロリムスの7日間の腹腔内注射により改善した。一方、自閉症はシロリムス投与により改善しなかった。 ②脳波測定は、電極部分をマウスの頭部の大きさに合わせて改良した人の脳波測定器を使用した。その結果、Tscモデルマウスでは、発作時にβ波が上昇することがわかった。これにより、痙攣等を起こさない軽度の発作を脳波により測定することが可能となった。 ③脳切片の免疫染色:ミクログリアの形態観察、神経変性、mTOR活性について解析している。 ④mRNA発現量測定:ミクログリアの極性変化に関わる遺伝子についてリアルタイムPCRにより解析している。 ⑤脳内ステロイドホルモンの測定:whole brainを採取し、ステロイドホルモンを測定した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

必要なマウスがなかなか生まれず、解析が進まないときもあったが、今年度の主な解析である行動解析の結果が得られた。
また、発現解析や脳組織の免疫染色については、新たにミクログリアの極性変化についての解析をする必要がでてきたため、更に解析を進める必要がある。
マウスが足りないため、ERαの解析が遅れているが、脳内ステロイドホルモンの測定結果をもとに、次年度は関連するステロイドホルモン合成酵素の発現や、ERα拮抗剤を使った実験を進める予定である。
皮膚細菌叢解析のためのサンプル採取中に、動物実験施設の改修により代替施設に移動した。移動前から採取していた細菌叢と移動後に採取した細菌叢に大きな差がでた。これは、施設の移動やケージの変更による環境変化が原因と考えられる。そのため、2022年度に新施設に移動した後、統一した環境下で、実験をやり直す予定である。

Strategy for Future Research Activity

TSCの病態形成機序を解明するために、新たにミクログリアの極性変化についての解析をする必要がでてきた。それゆえ、ミクログリアの極性変化にかかわる遺伝子の発現解析や脳組織の免疫染色について進める必要がある。加えて、ミクログリアの表面抗原に対する抗体を用いて、ミクログリアの極性変化を、FACSにより定量的に解析する予定である。
今年度は、遅れているERαの解析を進める予定である。脳内ステロイドホルモンの測定結果をもとに、関連するステロイドホルモン合成酵素の発現や、ERα拮抗剤を使った実験を進める。
2022年7月を目処に、動物実験施設の新施設に実験に使用している系統のマウスを移動予定である(凍結胚移植によるクリーンアップ)。実験に使うTSCモデルマウスが使えるまでには、さらに交配のため4ヶ月程度必要になるため、実際にマウスを使えるのは11月になる可能性がある。
その4ヶ月の期間中は、今まで採取しておいたサンプルを使って解析を進め、マウスから採取した細胞が必要となるFACS解析や、TSCモデルマウスの皮膚からのサンプリングが必須となる皮膚細菌叢解析は、11月以降に始めることになるため、より計画的に研究を進める必要がある。
また、昨年度の結果を論文として投稿予定である。

Causes of Carryover

免疫組織染色用のマウント剤を注文しようとしたが、見積もり時は、海外製品で3週間で納品とされていたが、3月に入り、納品まで更に1ヶ月以上かかる可能性を示され、一旦キャンセルしたため。

  • Research Products

    (1 results)

All 2021

All Presentation (1 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results)

  • [Presentation] The microglial decreased phagocytosis in olfactory bulb is responsible for neuropsychiatric disorders in tuberous sclerosis complex model mice.2021

    • Author(s)
      Makiko Koike-Kumagai
    • Organizer
      50 th Annual ESDR meeting, Virtual, Sep. 2021
    • Int'l Joint Research

URL: 

Published: 2022-12-28  

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