2023 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of the cause of phenotypic differences in tuberous sclerosis complex using model mice
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21K08322
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小池・熊谷 牧子 大阪大学, 大学院医学系研究科, 寄附講座助教 (30391949)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 結節性硬化症 / TSCモデルマウス / mTOR / ミクログリア / 行動解析 / シロリムス / ERα / エストロゲン |
Outline of Annual Research Achievements |
結節性硬化症における表現型差異について、結節性硬化症(TSC)の精神神経症状(TAND)を示すモデルマウス(Tsc2 cKO)を用いて行動解析をした結果、注意欠陥・多動性障害(ADHD)様行動および作業記憶障害に置いて、性差が認められた。これらの症状に置いて、メスの症状がオスよりもシビアであった。この性差の原因をつきとめることは、TSCにおいて問題になっている個体差(表現型差異)の解明にもつながる。そこで、エストロゲン(E2)に注目して、マウスの脳内ステロイド濃度を測定した。さらに、E2の受容体であるEstrogen receptor(ER)の遺伝子発現量も解析した(ERα、ERβ、GPER)。この結果、Tsc2 cKO メスマウスの脳では、ERαの遺伝子発現が、Tsc2 KO オスマウスよりも優位に高かった。ERαは転写因子としても知られるのでERαのDNA結合活性ついても解析した。 ERαは転写因子の一つである。ERαの転写活性を解析するためにERαのDNA結合活性を調べたところ、Tsc2 cKO メスマウスにおいてオスよりも優位に高いことが分かった。これらの結果は、TANDにおける性差(TANDの重症度の差)の原因が、E2/ERα依存的な標的遺伝子の転写活性化であることを示している。 また、シロリムス処理は、Tsc2 cKOマウスのTANDを改善するが、脳内ステロイドを測定したところ、プロゲステロンとエストロゲンの比がシロリムス処理によりほぼ一定になっていた。これらの結果から、シロリムスが脳内ステロイドレベルの調節を介して、E2とERαの転写活性を制御してTANDを改善に導いていることを見つけた。(現在、研究成果を投稿中)
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Research Products
(2 results)