2022 Fiscal Year Research-status Report
乾癬と脂肪肝炎、動脈硬化/心筋障害のクロストークの分子メカニズムの解明
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21K08323
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
嵯峨 礼美 大阪大学, 大学院医学系研究科, 特任研究員(常勤) (10535925)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 乾癬 / 脂肪肝炎 / 動脈硬化 |
Outline of Annual Research Achievements |
乾癬患者では、脂肪肝炎や冠動脈疾患の有病率が高いことが報告されている。しかし、乾癬が、脂肪肝炎や動脈硬化/心筋障害を悪化させるかどうかは明らかにされていない。イミキモド(Imiquimod:IMQ)を用いたモデルがよく用いられるが、病型が変化するため一か月以上の実験は困難である。そこで本研究では、長期間の実験が可能なK5.Stat3C Tg乾癬モデルマウスを用いて、乾癬が、脂肪肝炎や動脈硬化/心筋障害を悪化させるかどうかを解析することとした。 また、乾癬が動脈硬化の進展を促進するかどうかを調べるために、乾癬マウス(K5.Stat3C Tg)を動脈硬化モデルマウス(LDLR-KO)と交配し、乾癬/動脈硬化モデルマウス (K5.Stat3C Tg/LDLR KO)を作成し、乾癬が動脈硬化に与える影響を解析することとした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
8~12週齢のコントロールマウス群(C57Bl/6)、乾癬マウス群(K5.Stat3C Tg)に、高脂肪食を4週間負荷し、背部皮膚及び肝臓組織の、組織化学的解析(HE染色、マイクロファージ(F4/80)免疫染色)を行った。 その結果、コントロールマウス群に比べ、乾癬マウス群で、背部皮膚の表皮層の肥厚が認められ、肝臓でもマクロファージの浸潤の増加など、炎症を示唆する所見が得られた。今後、遺伝子、蛋白発現の網羅的解析を行い、乾癬と脂肪肝炎の間のクロストークを明らかにする予定である。 8~12週齢のコントロールマウス群としてLDLR KOマウス、乾癬/動脈硬化マウスとしてK5.Stat3C Tg/LDLR KOマウスに、高脂肪食を3週間負荷し、肝臓組織の組織化学染色(HE染色、マイクロファージ(F4/80)免疫染色)を行った結果、コントロール群に比べ、乾癬/動脈硬化マウス群において、肝臓のマクロファージ(F4/80)の浸潤が増加した。今後、乾癬の有無が動脈硬化の進展に与える影響について解析を進めていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
乾癬と脂肪肝炎に関して、乾癬様皮膚炎由来のサイトカイン、ケモカインが脂肪肝炎を悪化させていないか、脂肪肝炎由来のヘパトカインが乾癬を促進していないかなどに注目し網羅的解析を行う予定である。 乾癬と動脈硬化に関して、8~12週齢の LDLR KOマウス及び K5.Stat3C Tg/LDLR KOマウスに高脂肪食を8~12週間負荷し、大動脈基部や大動脈根部における動脈硬化プラークエ領域を測定することにより、乾癬の有無が動脈硬化の進展を促進するか検討する。
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Research Products
(1 results)