2022 Fiscal Year Research-status Report
CD147/basiginを標的とした乾癬の新規治療の開発
Project/Area Number |
21K08329
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
金蔵 拓郎 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (70177509)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古川 龍彦 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (40219100)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | CD147/Basigin / 乾癬 / T細胞分化 / Th17細胞 / モノカルボン酸トランスポーター |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は免疫グロブリンスーパーファミリーに属する多機能性の分子CD147/basiginをクローニングし、本分子は解糖系を介して癌細胞の増殖・浸潤を制御していることを報告してきた。一方、近年Tリンパ球の分化と活性化もエネルギーを解糖系に依存していることが明らかにされている。そこで我々はCD147がT細胞の分化と増殖の異常による免疫疾患である乾癬にも関与しているのではないかとの仮説を立てマウスモデルで検討した。その結果CD147はナイーブT細胞が乾癬の病態形成に重要なTh17細胞への分化を促進しており、CD147の遺伝子欠損マウスでは乾癬の発症が抑制されることを解明した。これらの成果を踏まえてCD147をターゲットとした乾癬の新規治療の開発を目的に本研究を計画し実施している。 我々はこれまでの研究でCD147は、解糖系で重要な膜型トランスポーターであるモノカルボン酸トランスポーター (MCT) の細胞膜発現をシャペロンとしてサポートすることで解糖系を制御していることを明らかにしている。従って本研究ではCD147とMCTの結合を阻害する物質を探索することを目的とした。 令和4年度にin silico バーチャルスクリーニングで183種類の候補化合物がリストアップされた。現在1次スクリーニングを行なっており、既に細胞外乳酸濃度を有意に抑制する物質が見つかっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
CD147/basiginとMCTの結晶構造および両者の複合体結晶構造モデルを解析し、in silico バーチャルスクリーニングで結合を阻害する物質を探索する研究で、当初は以下のように計画していた。 結晶構造は日本蛋白質構造データバンク(PDBj)等のデータバンクを利用し、SYBYL/MOLCAD (TRIPOS) を用いてホモロジーモデリング法で予測する。複合体モデルはSYBYL/BIOPLYMER (TRIPOS) を用いて構築する。これらの情報をもとにStructure-based Drug Delivery (SBDD) の手法でバーチャルスクリーニングを行う。しかしこの方法では構造モデルを解析するためのホモロジーモデリングで良好な結果が得られなかった。令和4年度はAMED生命科学・創薬研究支援基盤事業 (BINDS) (grant Number JP22ama121053,Support number 4195) に採択され183種類の候補化合物がリストアップされた。
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Strategy for Future Research Activity |
In silico バーチャルスクリーニングで探索された183種類の候補化合物について、解糖系を阻害するか、Th17細胞への分化を抑制するか、マウス乾癬モデルで炎症の発症を抑制するかに関して下記の方法でスクリーニングを進める。 1次スクリーニング Human Jurkat Tリンパ腫細胞を用いて、Lactate Assay Kit-WSTでスクリーニングする。申請者らは過去にJurkat細胞ではCD147の発現が亢進していること、CD147の発現をsiRNAでノックダウンすると増殖・浸潤能が抑制されることを報告している。Jurkat細胞を培養し培養上清中のlactate濃度を抑制する物質をスクリーニングする。 2次スクリーニング 1次スクリーニングのヒット化合物の希釈系列を作成しlactate assayでIC50値を求め化合物の優先順位をつける。 高次評価 ① In vitroの培養系で CD4+T細胞をIL-6とTGF-βでTh17へ分化誘導し、候補化合物の分化抑制能をモニターする。 ②マウスの皮膚にイミキモドを外用すると乾癬様の皮疹が誘発される。この皮膚炎は乾癬のマウスモデルとして受容されている。イミキモド誘発乾癬モデルを用いてin vivoで皮膚炎の発症抑制効果を評価する。
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Causes of Carryover |
BINDSに採択され目的に沿って研究を進捗することが可能になったが、手続き上次年度使用が生じた。令和5年度は上記スクリーニングの経費として計画的に使用する。
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[Journal Article] Identification of distinct N-glycosylation patterns on extracellular vesicles from small-cell and non-small-cell lung cancer cells.2022
Author(s)
Kondo K, Harada Y, Nakano M, Suzuki T, Fukushige T, Hanzawa K, Yagi H, Takagi K, Mizuno K, Miyamoto Y, Taniguchi N, Kato K, Kanekura T, Dohmae N, Machida K, Maruyama I, Inoue H.
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Journal Title
J Biol Chem
Volume: 298
Pages: 101950
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Prevention of non-infectious pulmonary complications after intra-bone marrow stem cell transplantation in mice2022
Author(s)
4.Yamasuji-Maeda Y, Nishimori H, Seike K, Yamamoto A, Fujiwara H, Kuroi T, Saeki K, Fujinaga H, Okamoto S, Matsuoka K, Fujii N, Tanaka T, Fujii M, Mominoki K, Kanekura T, Maeda Y.
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Journal Title
PLOS ONE
Volume: 17
Pages: e0273749
DOI
Peer Reviewed / Open Access