2021 Fiscal Year Research-status Report
Establishment of home photodynamic therapy for multidrug-resistant bacterial infected skin ulcers
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21K08332
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
小澤 俊幸 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 准教授 (50570602)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西村 隆宏 大阪大学, 工学研究科, 助教 (10722829)
粟津 邦男 大阪大学, 工学研究科, 教授 (30324817)
鶴田 大輔 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 教授 (90382043)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 光線力学療法 / 緑膿菌 / MRSA / 皮膚潰瘍 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は、抗生物質を使用せず、 新たな耐性菌の生じない光線力学療法(PDT: Photodynamic therapy)という新規治療法を用いた臨床研究を行い、MRSA及び緑膿菌感染皮膚潰瘍に対し良好な治療効果を得るにまで至った。しかし、従来のPDTは光源が移動できないため、治療に連日の通院もしくは入院が必要であった。コロナ禍および高齢化の現在、通院治療が必須であることはデメリットであり 改善すべきあると考えた。そこで、今回の我々の研究は、多剤耐性菌感染皮膚潰瘍に対して、 ポータブルでディスポーザブルな貼付式有機ELを光源に使用し、在宅治療を可能にする新たなPDTの開発を目指し、研究を行うこととした。 本年度は、先行の研究で行ってきたALAの濃度、細菌数は同じにして、ポータブルデバイスに変更することによる、低輝度、24時間照射により、MRSA及び緑膿菌が殺菌可能かどうかを、in vitroで検証することとした。まず、照射時間は24時間、使用波長を580nmに固定し、総照射エネルギーを、100J/cm2,150J/cm2,200J/cm2,300J/cm2,として照射したところ200J/cm2以上のエネルギーにより殺菌できることを確認した。このことにより、ポータブルデバイスは2mW/cm2以上の輝度が必要ということがわかった。次に、有機ELを24時間,2mW/cm2で安定して照射できるデバイスの作成を試みた。当初、ボタン電池でデバイスを作成したが、輝度が安定しなかった。その後、ある種の電池及び昇圧回路などを基盤に組み込むことにより、有機ELを24時間,2mW/cm2で安定して発光させることに成功した。その後、このデバイスをin vitroで使用して、殺菌可能か再度検討したところ、MRSA及び緑膿菌を殺菌することに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、in vitroでのポータブルデバイスが必要な最低輝度条件を決定することができ、また、電池により24時間の安定発光を可能とすることができたので、順調であると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
ポータブルデバイスを、マウスに付けて、感染潰瘍に24時間照射する予定である。しかし、現時点では、ポータブルデバイスの重量が重く、マウスに貼付すると、重量のため動きづらいことがわかっている。これらの解決のため、電池の種類、基盤、配線などをすべて見直し、軽量化をまず試みる。
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Causes of Carryover |
物品に関しては、これまでの研究で使用した、細菌および試薬が使用できたので、新たに購入する必要がなかった。旅費に関しては、コロナ感染症のため、web開催のため、必要なかった。ポータブルデバイスは、大阪大学の分担者による経費と、共同研究における日本触媒による費用でまかなえており、当初の予想よりも低いものとなった。
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Research Products
(1 results)