2021 Fiscal Year Research-status Report
皮膚炎症性疾患における温度感受性TRPチャネルの役割と治療への応用
Project/Area Number |
21K08340
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
茂木 精一郎 群馬大学, 大学院医学系研究科, 教授 (20420185)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | アトピー性皮膚炎 / 尋常性乾癬 / 温度感受性チャネル |
Outline of Annual Research Achievements |
温度感受性Transient Receptor Potential (TRP)チャネルは、温度だけではなく様々な化学的・物理的刺激を感受するセンサーとして生体機能に関わっている。近年、TRPチャネルと様々な疾患との関連が明らかとなっており、新規創薬ターゲットとして注目されている。TRPV4は皮膚において、表皮細胞や線維芽細胞、感覚神経終末、免疫細胞に発現し、皮膚バリア機能の制御だけではなく、皮膚の痒み、免疫細胞の制御にも関与しているため、皮膚における炎症疾患の病態や制御にも寄与していると推測される。今回、我々は、皮膚炎症性疾患である尋常性乾癬とアトピー性皮膚炎のマウスモデルを用いて、TRPV4の病態における役割と制御機構について解明し、治療への応用を目指すことを目的として研究を開始した。TRPV4遺伝子欠損マウスと野生型マウス用いて、イミキモド外用による乾癬様皮疹について検討した結果、TRPV4遺伝子欠損マウスで皮膚症状や病理組織学的所見(炎症細胞浸潤、表皮肥厚など)、および炎症性サイトカインの発現などが変化し、その機序を明らかにしつつある。また、角化細胞や神経におけるTRPV4シグナルの役割も検討している。さらに、TRPV4シグナルを変化させることによって、症状の改善効果も得られている。並行してアトピー性皮膚炎様皮疹に対する影響も明らかにしつつある。本研究の成果によって、皮膚炎症性疾患の革新的な治療法の開発に貢献したい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していた研究を遂行することができ、新しい結果が得られているため。
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Strategy for Future Research Activity |
現在までに得られている成果をもとに、さらに詳しい機序の解明をすすめていく。特にアトピー性皮膚炎と温度感受性チャネルの関連とその機序を検索していく予定である。
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Causes of Carryover |
理由: 予定していた予算に基づき使用していたが、未使用の予算が生じたため。 使用計画: 予定している研究を遂行するための物品の購入に使用する。
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