2023 Fiscal Year Research-status Report
3型自然リンパ球の皮膚炎と皮膚バリアにおよぼす影響の解明
Project/Area Number |
21K08345
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
杉田 和成 佐賀大学, 医学部, 教授 (40412647)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永瀬 浩太郎 佐賀大学, 医学部, 講師 (30549077) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 自然リンパ球 |
Outline of Annual Research Achievements |
自然リンパ球は3つのサブセットからなり、それぞれ、1型自然リンパ球、2型自然リンパ球、3型自然リンパ球と呼ばれている。これまで2型自然リンパ球はアレルギー炎症に深く関わるとされ、3型自然リンパ球は乾癬など炎症性皮膚疾患への関与もしられている。本研究では3型自然リンパ球に焦点をあてて、その皮膚バリア機能に及ぼす影響や疾患との関わりについて、明らかにしていく。本年度は前年度の実績をふまえ、ヒトケラチノサイトと自然リンパ球の共培養を行った。ヒトケラチノサイトは正常ヒト表皮を使用し、自然リンパ球は健常者から得られた自然リンパ球を分離し、かつ、増殖させたセルラインを研究に用いた。結果、3型自然リンパ球では2型自然リンパ球と比べ有意にバリア機能が亢進し、かつ、組織学的に表皮の増殖、肥厚も確認できた。さらに分子レベルでは、3型自然リンパ球の方が2型自然リンパ球と比べ有意にタイトジャンクションバリアが発達していることも示された。これらは、さらに、ウエスタンブロット法を用いて、各種増殖マーカーについて検証している。加えて、培養上清中のサイトカインアッセイも行った。さらに、自然リンパ球の局在を明らかにするために、皮膚およびリンパ節を用いて、組織学的に自然リンパ球が同定可能か検証した。結果、ヒトリンパ節において、IL-7R陽性かつLineageマーカー陰性の自然リンパ球サブセットを同定できた。そのため、本知見を用いて、皮膚での3型自然リンパ球をはじめとする自然リンパ球サブセットの同定と局在解析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
バリア機能を評価する3次元培養モデルの構築と組織切片における自然リンパ球の同定と局在解析
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Strategy for Future Research Activity |
3型自然リンパ球と疾患との関連性について明らかにしていく
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Causes of Carryover |
サイトカインアッセイを外部委託したため、本年度の予算内におさまらず、次年度使用額が生じた。
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