2021 Fiscal Year Research-status Report
Epithelial-immune microenvironment (EIME) in alopecia areata
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21K08348
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
加来 洋 京都大学, 医学研究科, 助教 (00769862)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大日 輝記 香川大学, 医学部, 教授 (20423543)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 円形脱毛症 |
Outline of Annual Research Achievements |
(概要)円形脱毛症の上皮-免疫微小環境(EIME)と炎症の回路の提案:円形脱毛症では毛包上皮細胞のクラスI分子やNKG2Dリガンドの発現亢進により免疫寛容が破たんすること、疾患モデル動物ではNKG2D陽性細胞の活性化、IFN-γの産生により毛包上皮細胞の免疫特権が破たんして脱毛にいたることが示されている(Petukhova et al, Nature 2010; Xing et al, Nat Med 2014)。申請者らは、円形脱毛症では毛包の上皮-免疫微小環境(epithelial immune microenvironment: EIME)で免疫寛容の破たんを持続させる「回路」が形成されると仮説を立てた。また申請者の研究協力者の大日輝記らはこれまでに、円形脱毛症の一部の患者の病変部の毛包上皮で発現が低下する細胞内分子Xを予備検討により見出した(未発表)。この細胞内分子Xについて、文献的に、または予備検討で分かっていることは以下の通りである。① 健常ヒト毛球部の毛包上皮に強発現する。② NKG2Dリガンドの発現と逆相関する。③ IFN-γは細胞内分子Xのリン酸化を抑制する。④ 細胞間シグナル伝播が知られるERK経路やNotch経路による制御を受ける。 以上より、毛包上皮における細胞内分子Xの発現低下が免疫特権の無効化および持続の鍵を握ると考えた。本研究開発では、臨床検体およびモデル動物を用いて、この上皮細胞内分子Xの免疫特権の破たんへの関与、および上皮細胞内分子Xによる免疫特権の破たんの「回路」の形成を明らかにする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究者の異動に伴い、労働環境が大幅に変化し、研究に割くエフォートが低下したため、遅れている。現在、京都大学皮膚科の円形脱毛症症例を使用し、PARP1の多重免疫染色の最適化を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
臨床業務に割く時間の効率化を進め、まずはPARP1の多重免疫染色の最適化について行い、その後順次実験計画を進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
COVID19の蔓延による影響のため資材の納期遅延。 抗体試薬などの諸経費に使用予定です.
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