2021 Fiscal Year Research-status Report
かゆみ・炎症・バリアからみたアトピー性皮膚炎におけるMAPKの役割解明と治療応用
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21K08350
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
中原 剛士 九州大学, 医学研究院, 教授 (40529848)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | アトピー性皮膚炎 / MAPK経路 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒトアトピー性皮膚炎における各MAPK経路の発現を調べたところ、p38MAPK, JNK, ERKのうちp-ERKのみ発現増強がみられた。そこで、ダニ抗原塗布アトピー性皮膚炎モデルマウスにても同様の検討を行ったところ、マウスアトピー性皮膚炎モデル皮膚においてもp38MAPK, JNK, ERKのうちp-ERKのみ発現増強がみられた。 そこで、ERK阻害剤の表皮細胞や樹状細胞の機能への作用をin vitroの実験で確認したところ、ERK阻害剤は ①IL-4刺激による表皮細胞のフィラグリン発現減少を回復させ、②IL-4刺激による樹状細胞からのTARC産生を低下させた。 これらの結果から、MAPK経路の中でもERK経路がADの病態に関与している可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ヒト、マウスでの各MAPK経路のうち、p-ERKのみの発現上昇が確認された。また、ERK経路のアトピー性皮膚炎病態への関与を確認するため、まずはvitroにおいて、ERK阻害剤の表皮細胞、樹状細胞への影響を確認し、アトピー性皮膚炎の治療ターゲットになりうる結果が得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は特にpERKの皮膚での発現を経時的に確認していく。 同時にダニ抗原塗布アトピー性皮膚炎モデルにおいてERK阻害剤外用を用いて、炎症、バリア機能、かゆみに対する効果を個々に評価していく。
そして実際に、ERK阻害薬の臨床効果の確認、どの症状への抑制効果が強いのかの確認を行い、他の薬剤との差別化、治療応用への基礎データの収集を行う。
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