2021 Fiscal Year Research-status Report
造血不全における造血支持細胞異常と赤芽球島形成障害の解明
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21K08365
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
小原 直 筑波大学, 医学医療系, 教授 (70422178)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 造血不全 / 造血支持細胞 / Nestin / GFAP / 網羅的遺伝子解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1) ヒトコントロール骨髄及びMDS患者由来骨髄における、Nestin陽性細胞の解剖学的解析:Nestin陽性細胞は、血管壁を構成細胞として描出されたが、CD34あるいはCD31陽性の血管内皮細胞とは明確に異なり、血管内皮細胞と隣接して血管壁を構成している様子が観察された。一方、MDS患者骨髄では、血管壁構成とは関連しないNestin陽性細胞が多数観察された。MDS検体の中でもNestin陽性細胞が増加している検体と、増加していない検体があることが明らかとなったため、さらに解析を進めたところ、繊維化を伴うMDSにおいて、高頻度にNESCsが増加していたが、繊維化を認めないMDSでは増加した症例はなかった。さらにこれらの細胞では神経線維を取り囲むような構造を示しており、シュワン細胞類似の構造と考えられた。Nestin発現細胞・シュワン細胞が増加している骨髄では、高度な繊維化を認めており、造血支持細胞の異常と骨髄繊維化に関係性があると考えられた。現在、健常人骨髄とMDS患者骨髄を用いてNestin陽性細胞のRNAseq解析を計画している。 (2)健常と考えられる骨髄と造血不全患者の赤芽球島形成能の解析を試みている。サンプル収拾が難しいこともあり、現在は条件検討を行っているが、MDSマクロファージと健常赤血球の組み合わせでは、一部の症例で赤芽球島形成能が低下している可能性がある。条件検討をさらに行い、多数例で解析を行う予定である。 (3)ヒト骨髄穿刺検体由来の骨髄単核球から微量に単離可能な非造血系細胞をNGFR, CD146, Thy1等を指標として、ヒト骨髄ニッチ細胞のコンポネントを細分化して採取するシステムを構築した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の対象は造血不全であり、稀少疾患が多いため、サンプル収拾が難しく、想定よりも緩徐であることを認識している。また、熟練の実験補助の確保が課題である。一方で、緩徐であるが過去検体を用いた解析は比較的堅調に進捗していると考えている。特に免疫染色やフローサイトメトリーについては設備が整い、実験操作にも慣れた人員がそろっているので比較的進捗が認められている。造血不全サンプルは極めて貴重なため、確実な解析ができるように現在十分な条件検討を行っている。再現性が確実に得られれば、速やかに本解析を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
造血不全は稀少疾患が多く、サンプル収拾が困難な場合が多いため、多くの検体を集める点について、改善が必要と考えている。本研究には多数の検体が必要であるため、近隣の施設にも協力してもらい、患者を紹介してもらうなどの方策を検討している。実験補助などの人員の確保について、めどが立っているので、サンプル処理などについては今後行いやすくなることが期待される。また、条件検討についても進行しているので、今後の解析が期待できる。は設備が整い、実験操作にも慣れた人員がそろっているので比較的進捗が認められている。造血不全サンプルは極めて貴重なため、確実な解析ができるように現在十分な条件検討を行っている。再現性が確実に得られれば、速やかに本解析を行う予定である。
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Causes of Carryover |
試薬(抗体)の輸入・納入が遅延したため。
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[Presentation] Clinical Significance of Small PNH-Type Cell Populations in Bone Marrow Failure Syndromes - an Interim Analysis of Japanese Multicentrer Prospective Study -2021
Author(s)
Yasutaka Ueda, Kohei Hosokawa, Ken Ishiyama, Hiroyuki Takamori, Yuji Yonemura, Naoshi Obara, Hideyoshi Noji, Kiyoshi Ando, Tsutomu Shichishima, Takayuki Ikezoe, Shigeru Chiba, Haruhiko Ninomiya, Tatsuya Kawaguchi, Jun-ichi Nishimura, Yuzuru Kanakura, Shinji Nakao
Organizer
63rd ASH Annual Meeting and Exposition
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