2023 Fiscal Year Research-status Report
ヒストン修飾因子に注目した骨髄異形成症候群と自己免疫疾患の共通分子基盤の解明
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21K08378
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
岩崎 正幸 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (70790913)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本田 浩章 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (40245064)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 自己免疫疾患 / UTX / IBD |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、エピジェネティクス制御の破綻が自己免疫疾患の発症・維持に重要な役割を果たしていることが明らかとなってきている。申請者はヒストン脱メチル化酵素UTX (ubiquitously transcribed tetratricopeptide repeat, X chromosome) 欠失マウスを作製し、自己免疫疾患におけるUTXの役割を解明する目的で、マウス自己免疫疾患誘導モデルとして免疫不全マウスに,naive T細胞であるCD4+CD45RBhigh (naive T)細胞を移入することにより大腸炎を発症させるマウス大腸炎誘発実験モデルを用いて、WtおよびUTX欠失マウス由来 naive T細胞を移入したところ、Wtでは著明な腸管肥厚をともなう腸炎の形態と共に体重減少が認められたが、UTX欠失ではこれらの症状の緩和を確認することができた。次に、UTX欠失がT細胞の分化誘導に与える影響について、UTX欠失マウスおよび Wtマウスの脾臓からnaive T細胞を分離し、抗CD3/CD28抗体,IL-2で刺激後、TGF-b, IL-6, IL-12などのサイトカインによりTh1, Th17, Tregへの分化誘導を行い、各サブセットの分化誘導能に異常がないか検証した。UTX欠失マウス由来naive T細胞はWt由来naive T細胞に比べ、Tregへの分化が亢進すると共に、Th17への分化は減弱するという予備実験結果を得ており、この結果は大腸炎誘発に関与するTh17/Tregのバランスに関与しているものと考えられる。現在、naive T細胞を用いた次世代シークエンサーによる網羅的遺伝子発現プロファイリング解析を行い、UTXの欠失によって変動する遺伝子を同定を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
CD4T細胞特異的にUTXを欠失しているマウスを樹立したが、想定より繁殖に時間を費やしてしまったこと、また、このマウスを用いた自己免疫疾患誘導モデルの確立が遅れてしまったため、当初の計画よりRNA-seq による網羅的遺伝子発現解析の開始が遅れてしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
マウス大腸炎誘発実験モデルを用いて、UTX欠失と同様にUTX阻害剤GSK-J4投与により、腸炎や体重減少の緩和が認められるかを確認する。現在、RNA-seq による網羅的遺伝子発現解析を行い解析中であり、UTXの欠失によって変動する遺伝子を同定したい。さらに、抗UTX抗体を用いたクロマチン免疫沈降シークエンス解析(ChIP-Seq) を行ない、この結果とRNA-seqの結果で共通する遺伝子を見つけることにより、UTXの直接標的遺伝子を探索する。また、GSEA(Gene Set Enrichment Analysis)を用いて、活性化・不活化した pathway およびその制御に関与する因子を明らかにして、病態理解を深め、治療標的としての可能性を検証していきたい。
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Causes of Carryover |
今年度はCD4T細胞特異的にUTXを欠失しているマウスを樹立したが、想定より繁殖に時間を費やしてしまったため、計画していた抗UTX抗体を用いたクロマチン免疫沈降シークエンス解析(Chip-seq)を行わず、次年度に行うことにしたために予定していた使用額にはならなかった。
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[Journal Article] MBTD1 preserves adult hematopoietic stem cell pool size and function2023
Author(s)
Takubo Keiyo、Htun Phyo Wai、Ueda Takeshi、Sera Yasuyuki、Iwasaki Masayuki、Koizumi Miho、Shiroshita Kohei、Kobayashi Hiroshi、Haraguchi Miho、Watanuki Shintaro、Honda Zen-ichiro、Yamasaki Norimasa、Nakamura-Ishizu Ayako、Arai Fumio、Motoyama Noboru、Hatta Tomohisa、Natsume Tohru、Suda Toshio、Honda Hiroaki
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Journal Title
Proceedings of the National Academy of Sciences
Volume: 120
Pages: -
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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