2023 Fiscal Year Annual Research Report
骨髄増殖性腫瘍が急性白血病に転化する機序と予防的治療法の解明
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21K08399
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
植田 航希 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (80632190)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 和彦 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (90381392)
三村 耕作 福島県立医科大学, 医学部, 准教授 (90568031)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 骨髄増殖性腫瘍 / 急性転化 |
Outline of Annual Research Achievements |
Ezh2-/-マウスとCalr10d/+マウスを交配することでそれぞれCalr10d/+; Ezh2-/-マウス、Ezh2-/-マウス、Calr10d/+マウスを得た。これらの生存期間は、Ezh2-/-マウス、Calr10d/+マウスの大半が18-24ヶ月だったのに対して、Calr10d/+; Ezh2-/-マウスは10-18ヶ月で多くが死亡した。死亡直前のCalr10d/+; Ezh2-/-マウスから骨髄・脾臓を採取して解析したところ、約半数は脾腫・骨髄線維化認めるが骨髄芽球の増生は認めない重症MPNであり、残りの半数は脾腫に加えて骨髄芽球の増生を認めるAMLであった。AMLを発症したマウスの骨髄細胞を野生型マウスに移植すると、AMLを発症して数ヶ月で死亡した。 そこで、AMLや重症AMLを発症する前の生後10ヶ月で各遺伝子型マウスの造血(脾臓の重量や骨髄の細胞数、細胞分画など)を比較した。意外なことに、Calr10d/+; Ezh2-/-マウスは軽度の脾腫や骨髄球系細胞の増加を認めるのみで、、Ezh2-/-マウス、Calr10d/+マウスと大きな差を認めなかった。さらに造血幹細胞分画(LSK細胞)のRNAシークエンスを行ったところ、Calr10d/+; Ezh2-/-マウスのLSKではCalr10d/+だけでなくEzh2-/-マウスと比較しても、ポリコーム標的因子の上昇が認められた。特に、Il7rは以前の報告でJak2V617F/+;Ezh2-/-マウスとJak2V617F/+マウスのLSK同士の比較でも発現上昇が認められていた。Il7rはリンパ球分化に関わる分子であるが、造血幹細胞から骨髄球系への分化や、組織における骨髄球系細胞の維持に必要との報告もあり(Exp Hematol. 2020;90:39)、病態への関与が疑われる。
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