2022 Fiscal Year Research-status Report
Mechanism of kidney injury associated with graft-versus-host disease after allogenic stem cell transplantation
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21K08410
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
市川 一誠 山形大学, 医学部, 講師 (50436218)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東梅 友美 山形大学, 医学部, 講師 (40802111)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 同種造血細胞移植 / GVHD / 急性腎障害 / NGAL / Elafin / ドナーT細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、同種造血細胞移植後に発生する腎障害への、ドナー由来T細胞による免疫反応の関与を検討している。昨年度までの研究において、マウス骨髄移植の同種移植レシピエントでは、同系移植レシピエントに比べ、尿中腎障害マーカーの上昇、ドナーT細胞の増加、T細胞の活性化、腎組織障害の悪化を認める事が分かった。本年度は、さらに移植マウスの腎組織の蛋白同定、ならび細胞実験を行った。腎障害マーカーのNGALと、皮膚GVHDとの関連が示されているタンパクであるElafinが、同種移植マウスの腎臓で、同系移植マウスと比べて優位に発現が亢進していた。同種レシピエントの腎臓におけるElafinの局在を免疫染色で評価したところ、主に遠位尿細管上皮で発現していた。また、ドナーT細胞の細胞障害活性を検討するために、腎由来培養細胞をターゲットとして細胞傷害性Tリンパ球(CTL)アッセイを行った。T細胞を同種または同系の抗原提示細胞で刺激して活性化させ、腎血管内皮細胞または近位尿細管上皮細胞と共培養した結果、同種反応性T細胞による腎血管内皮細胞と尿細管上皮細胞のアポトーシスの誘導を認めた。これまでの実験では骨髄移植後2週間の時点で、腎臓における急性GVHDの評価を検討し、ドナーT細胞の浸潤、活性化、腎障害の悪化を示してきた。これらの変化が一過性に収束するか否かを検証するために、移植後6週後のレシピエントの腎臓を解析した。尿中のNAGは6週時点でも同種移植群で有意に高値であった。ドナー細胞数は移植後2週時点よりも減少していたが、活性化マーカー(CD69)や疲弊マーカー(PD-1)の発現は持続していた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
移植マウスの腎組織のタンパク同定、予定していた細胞実験を施行し、結果をまとめ、論文投稿する事ができた。
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Strategy for Future Research Activity |
概ね研究目的は達成することができたが、追加検討として、移植前処置の放射線照射強度を変化させた場合の、糸球体障害と尿細管間質障害について組織解析を行う予定である。また、より臨床の即した条件である、カルシニューリン阻害剤使用下での動物実験も検討している。
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Causes of Carryover |
残金は、少額なので、次年度の消耗品購入に使用する予定です。
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Research Products
(2 results)